COP29開催で考える 気候変動で“沸騰する地球”が健康に及ぼす悪影響
◇国際的取り組みの重要性
COPのような地球温暖化防止のための枠組みを議論する国際会議は、大変重要と考えています。 2023年のCOP28では初めて「ヘルスデー」が設定され、各国の保健大臣による会合で気候変動が健康に与える影響や対策などについて議論されました。また、気候変動の影響を大きく受ける途上国を支援するための「損失と損害(Loss and Damage)」基金の運用が合意され、世界各国から7億ドル以上の拠出(2023年12月4日時点)が発表されるなど、健康に与える影響への対策の必要性が議論され、財源確保もなされました。継続性をもって毎年議論することが重要です。 COP29では議題の1つに「子どもへの教育」があります。気候変動や環境問題は対策に取り組んでから結果が出るまでにとても長い時間がかかります。また、スケールが大きく、誰が何をしたらいつどんなことが起こるのか実感するのが難しい問題です。 長い時間軸でみたときに、未来を担う子どもたちが気候変動と健康の関係を理解することが大切ですし、我々大人は子どもたちの未来に対する責任があります。そのために「教育」という議題が入っていることはとても素晴らしいと思っています。 フランス・パリで2015年に開催されたCOP21で採択された新たな国際的枠組み「パリ協定」では、長期目標として「産業革命前と比較して気温上昇を2℃より十分下方に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力を継続する」ことなどが盛り込まれました。ところが、2023年の世界平均気温は1.48℃高くなったことが観測され、努力目標に0.02℃まで切迫しています。そのため気候変動を止めることに悲観的な意見も見受けられます。しかし、私自身は世界中の皆で取り組めば、解決への道を拓くことができると考えています。 実際に、20世紀末には、フロンなどが原因で北極や南極上空のオゾン層が破壊される「オゾンホール」の問題ありました。しかし、国際的な取り組みでフロンガスの規制が行われ、現在オゾンホールは縮小傾向にあるとされています。 オプティミスティックでなければ、経営はできないと思っています。私自身、会社経営を担う立場からも、成功を信じて自社にできる対策を進めたいと考えています。