【速報】スペースXが「スターシップ」の第6回飛行試験を実施 インド洋に着水成功
アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年11月20日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第6回飛行試験を実施しました。Starship宇宙船は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、発射から1時間ほど後に予定通りインド洋への着水を行って飛行を終えています。 直近のロケット打ち上げ情報リスト
Starshipとは?
Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。今回の飛行試験は2024年10月に続く6回目の無人飛行試験で、計画ではSuper Heavyブースターは発射約7分後に発射台へ帰還し、Starship宇宙船は発射約1時間5分後にインド洋の目標地点へ着水することになっていました。
Super Heavyブースターは発射台へ帰還せず海上に着水
アメリカ・テキサス州ボカチカにあるSpaceXの施設「Starbase(スターベース)」から日本時間2024年11月20日7時0分に打ち上げられたStarship宇宙船は、発射約2分40秒後(※発射からの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)にSuper Heavyブースターを分離しました。 ブーストバック燃焼(飛行経路に対する逆噴射)を行ったSuper Heavyブースターは、今回は発射台に帰還せず、発射約6分50秒後にメキシコ湾に着水しました。ブーストバック燃焼の完了前にフライトディレクターから手動コマンドが送信されない場合や、機体や発射台のタワーに問題がある場合は安全確保のために発射台に帰還させずメキシコ湾への軟着水を試みることは、SpaceXからあらかじめ告知されていました。
Starship宇宙船は昼間のインド洋に着水
一方のStarship宇宙船は発射約8分30秒後に高度約150kmでエンジン燃焼を停止して慣性飛行に移行。発射約37分後には6基搭載されている「Raptor(ラプター)」エンジンの1基を宇宙空間で再点火することに初めて成功しました。現在のStarshipは地球を完全には周回しない準軌道飛行(サブオービタル飛行)で試験を行っていますが、地球周回軌道から帰還する際には軌道を離脱するためにエンジンの再点火が欠かせません。再点火は2024年3月の第3回飛行試験で試みられる予定でしたが、この時は宇宙空間到達後にStarship宇宙船の姿勢制御が失われたため実施されず、その後の第4回・第5回飛行試験でも行われていませんでした。 その後、Starship宇宙船は大気圏に再突入。過去の飛行試験では着水目標エリアは夜間でしたが、打ち上げ時間帯がアメリカ中部標準時の朝から夕方に変更された今回は目標エリアにも日が昇っており、ライブ配信では雲を通り抜けて降下する様子が写し出されていました。目標エリアには複数のカメラも設置されており、Starship宇宙船に取り付けられていたカメラだけでなく海上から見た軟着水の様子も配信されました。 Starship第6回飛行試験の詳しい結果についてはSpaceXから発表され次第お伝えします。 Source SpaceX - Starship's Sixth Flight Test SpaceX (X)
sorae編集部