菅首相が会見 「宣言」延長・7府県追加(全文1)デパートなどへ人数制限呼び掛ける
接種が若い世代へ進めば明かりが見えてくる
世界各国ではワクチンの接種が一定の進捗を示すのを機に通常の社会経済活動へと回復しつつあります。わが国についても8月末には全国民の半数近くの方が2回の接種を行い、そして9月末には6割近くの方が2回の接種を終え、現在のイギリスやアメリカ並みに近づく見通しです。全ての対象者の8割に接種できる量のワクチンを10月初旬までには配分をいたします。 長きにわたる新型コロナとのこの闘いで、多くの皆さまに精いっぱいご協力をいただいてきました。しかしここに来て、感染の急拡大はそんな皆さまの間に、この先どうなってしまうのかという強い不安や、対策を守っても仕方がないという諦めを抱いているのではないかと懸念をいたしております。また、多くの方々にはせっかくの夏休みなのにという不満があるのも当然のことだと思います。 これからワクチン接種が40代、50代、さらには若い世代の方々へ進めば、明らかな予防効果が期待でき、はっきりとした明かりが見えてきます。10月から11月のできるだけ早い時期に、希望する全ての方への2回のワクチン接種の完了を目指してまいります。今回の宣言を解除する前提は、国民の命と健康を守ることができる医療提供体制の確保です。ワクチンの接種状況、重症者、病床利用率などを分析し、適切に解除の判断をしてまいります。その先には飲食店の利用、旅行、イベントなど、社会経済活動の回復が視野に入ってきます。総力を挙げて取り組みます。皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
総理大臣としての責任をどう感じているのか
司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。尾身会長におかれましては、所定の位置にお進みください。ご質問の内容によりまして尾身にもご説明をいただきます。指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上でご質問をお願いいたします。まず幹事社からご質問をいただきます。フジテレビの鹿嶋さん、どうぞ。 フジテレビ:フジテレビの鹿嶋です。総理に3点お聞きします。菅総理は先月末の記者会見で、「今回の宣言が最後となるような覚悟で」と、また、この波をできるだけ早く収めることが一番の私の責任だと述べられましたが、宣言は拡大、延長され、そして感染拡大も続いております。こうした結果になったことに対する総理大臣としての責任を率直に今どのようにお感じでしょうか。また、宣言の追加や延長、まん延防止措置を五月雨式に行ってもデルタ株の感染力に対応できないのではないかという指摘があります。今後、全国に宣言を出す可能性や、来月、この12日を見据えた出口戦略についての考え方をあらためてお聞かせください。最後に、菅総理はロックダウンについてこれまで、日本ではなじまないというふうにおっしゃってきてますが、緊急事態に対応する選択肢の1つとして今後の法整備の可能性、必要性もないという認識なのか、お聞かせください。よろしくお願いします。 菅:まず新型コロナとの長引く闘いの中で国民の命と暮らしを守る、そのために必要なことを考えた上で、今日まで効果のある対策をピンポイントで行ってきました。今般、デルタ株によって世界中に経験のない感染が広がり、わが国の状況も一変をしました。私としては国民の命と安全を守り抜くという覚悟の下に、効果のある対策をやり抜いていくという決意に変わりありません。 また今回、閣僚の間で全国に緊急事態宣言を出す選択肢についても議論をしました。感染状況や医療体制には差があり、全国となるとやはり一部の県の皆さんには過剰な規制となってしまう。そうした中で地域ごとに最も効果的な対策を行っていくために今回の判断になったということであります。今後、宣言解除、出口に向かって、医療体制をやはりしっかり構築した上で、重症者を減らす対策、ここは徹底していきたいというふうに思います。