「ロックダウン」は有効か? 菅首相、尾身会長の見解は
菅義偉(すが・よしひで)首相は17日の記者会見で感染拡大防止対策としてロックダウン(都市封鎖)を検討するのかを問われた。菅首相は、「諸外国のロックダウンについて、感染対策の決め手とならず、結果的には各国ともワクチン接種を進めることで日常を取り戻してきていると理解している」と述べ、ロックダウンよりもワクチン接種が感染収束に寄与するという考えを示した。 一方で、「新型コロナという非常事態について、今後しっかり検証して、感染症に対するための法整備を幅広く検討しなければならない」とも語り、今後に含みを残した。
会見に同席した政府コロナ分科会の尾身茂会長もロックダウンに言及。デルタ株に感染するリスクの高い場面は基本的にこれまでと変わらないと説明したうえで、リスクの高い行動を控えることで「私はある程度(感染レベルを)コントロールすることは可能だと思う」と述べた。そのうえで、「街から人が全くいなくなるような状況を作る状況はいまのところないと思う」と述べ、ロックダウンを直ちに導入する段階ではないとの認識を示した。 一方、「実は我が国が直面しているジレンマというものがある」と切り出し「飲食店などのお店の方に制限を(法的根拠を持って)お願いする仕組みはあるが、利用者個人、われわれ一般市民に対してはお願いベースしかない」と指摘。「個人に感染リスクの高い行動を避けてもらうことを可能にするような新たな法的な仕組みの構築。あるいは現行法の活用も必要になってくるのではないか」と持論を述べた。 そして、「こうしたことに対しては、一般市民、国民の間でさまざまな議論があると思う。そういう意味では法的な仕組み作りの検討だけは早急に議論してほしいというのがきょうの分科会でも出た」と語った。