ラグビー日本代表が世界3位の豪州に23ー32と大善戦も”笑わない男”が「全然いいゲームじゃない」と語った理由とは?
現在と同じ体制で臨んだW杯日本大会では、5試合中4試合で反則数を1桁台に抑えている。当時は大一番とあり、レフリーの傾向も事前に分析。練習で反則があれば、ジョセフ・ヘッドコーチが、その場で罰走を指示した。緊張感があった。 ところがいまは、状況が異なる。それまでレフリーと首尾よく対話してきたリーチ マイケルキャプテンは、状態を鑑みて配置転換されている。この日は、前半終了間際、ラブスカフニがレフリーにじっくりとヒアリングするシーンもあった。今後は「レフリーマネジメント」と呼ばれる領域を含め、さらなる改善が待たれる。 稲垣は、接点のボールを奪おうとして反則を取られたシーンに絞って言う。 「(ボールを奪いに)行く部分、行かない部分の判断が大事になってくる。その判断のディテール、スピード、または判断をするために必要なコミュニケーションを上げなくてはいけないと思いました」 日本代表は、この後、欧州遠征を行ない、11月6日にW杯日本大会で倒したアイルランド代表、18日に世界ランクで日本より下位に位置するポルトガル代表、20日にスコットランド代表と対戦する。若手や初選出組に多くの機会を与えながら、国内戦で出た課題を修正したい。2023年のW杯フランス大会開幕まであと2年を切っている。 (文責・向風見也/ラグビーライター)