ほんとうに私だけが悪いのか…「片づけられない」アスペルガーの妻が離婚協議で夫に放った「思わぬ不満」
妻の日頃の不満が噴出
「そういう言い方は卑怯だと思います。受診や治療をしなければ離婚するぞという脅しですよね。確かに私はイヤホンをしていますし、子育てが得意ではありません。周囲から『お子さん、可愛い盛りね』なんていう声をかけられると、育児を楽しめない私は母親失格だと思って落ち込みました。でも、夫は私の辛さを理解してくれませんでした。育児や家事について、私のやり方に文句があるなら、夫が手伝ってくれればいいんじゃないでしょうか。いつも手は出さずに口だけ出してくる感じがあって、私たちがうまくいかない原因は夫にもあると思います」 ここからはサチの反撃が始まり、日ごろの不満が噴出した。一方で、次のような本音も語られた。
現状が変わることへの不安
「うちの子は、小さいころから音に敏感で睡眠時間が短いし、癇癪もちみたいなところもあって育てにくさがありました。夫は仕事が忙しく、子育ては私任せでしたし、私は実家も頼れません。ですので、思い悩んで、発達障害の専門医に相談したことがあります。その際、医師から『お子さん、こんなところがありませんか』と質問される内容が結構自分にも当てはまって。なので、もしかしたら自分もと思ったことがあります。 でも、それを夫から指摘されると素直に受け止めることができません。確かに、私たちはけんかの多い夫婦でした。でも、本当に私だけが悪いのでしょうか。今は、現状が変わることへの不安も大きくて、どう結論付けるのが家族の幸せにつながるのか、最終的なことはまだ考えられないです」 このサチの発言を受けて調停人はふたりに次のように伝えた。 「必ずしも今すぐに最終的な結論を出さなくてもいいのではないでしょうか。現状のお二人の希望は異なっていて、同居も離婚もできない状況ですので、しばらく別居生活を続けるしかなさそうです。ですので、まずは、別居生活中の約束事などを取り決め、その後のことはまた時期を改めて考えるというのはどうでしょうか」