第166回直木賞受賞会見(全文)米澤穂信さん「ミステリーは自分にとっての大事な軸足」
第166回芥川賞・直木賞が19日発表され、芥川賞には砂川文次(すなかわ・ぶんじ)さん(31)の「ブラックボックス」、直木賞には今村翔吾(いまむら・しょうご)さん(37)の「塞王の楯(さいおうのたて)」と、米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん(43)の「黒牢城(こくろうじょう)」がそれぞれ選ばれた。同日夜、3氏の記者会見が都内のホテルで開かれた。 【動画】第166回「芥川賞・直木賞」発表 砂川文次さん、今村翔吾さん、米澤穂信さんが会見(2022年1月19日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「第166回「芥川賞・直木賞」発表 砂川文次さん、今村翔吾さん、米澤穂信さんが会見(2022年1月19日)」に対応しております。 ◇ ◇
投げた石が1つ大きな池をつくったのかな
司会:それでは米澤さん、よろしくお願いいたします。 米澤:よろしくお願いいたします。 司会:まず今のお気持ちからお聞かせください。 米澤:大変光栄に思います。以前ある編集者の方が私の小説を指して、普通、池のあるところに石を投げていく、書いていく、石を投げるように書いていくことが多い、しかし米澤さんは何もないところに石を投げるように小説を書いていく、そこに池があるのかなと思っていると、そこに自分の投げた石で池をつくっていってしまう、そういうことをしているねっていうことを言われたことがありました。それを言われたときには大それたことをと思わなくもなかったんですけれども、今こうして1つの結果をいただいて、投げた石が1つ大きな池をつくったのかなというふうに思っています。 司会:ありがとうございます。それでは質疑応答のほうに移らさせていただきます。ご質問のある方、また挙手をお願いいたします。では、高畑さん。またマイクのほうに来てお願いいたします。
今後も「よねぽ」と呼び続けてもいいか
ニコニコ動画:ニコニコ動画の高畑と申します。ご受賞おめでとうございます。 米澤:よろしくお願いします。 ニコニコ動画:恒例の質問なんですけれども、ニコニコ動画はご存じでしょうか。 米澤:はい、存じております。 ニコニコ動画:ありがとうございます。では、ユーザーの皆さんからいただいた質問を代わりに読ませていただきます。2つありますので、2つ読ませてください。愛知県20代女性の方からの質問です。中学生のころから15年以上、米澤先生の作品のファンです。米澤先生は昔からファンに愛され、ネット上では「よねぽ」の愛称で呼ばれていますが、名誉ある直木賞を受賞された今後も「よねぽ」と親しみを込めて呼び続けてもいいでしょうか。 米澤:そうですね。もう15年、本当に20年、15年、読んでいただいているのは本当にありがたい限りです。どのように呼んでいただけても大変うれしく思います。 ニコニコ動画:ありがとうございます。ではもう1つ読ませていただきます。東京都30代男性の方です。これまでにたくさんのミステリーを書かれてきましたが、これまでに書いてきた登場人物で、いまだに一番謎だと思うのは誰ですかという質問です。 米澤:そうですね、人の心は分からないことが多い、どの人物も外側は自分で分かったつもりでいても、著者自身も、その人物が人間として立ち上がってくればくるほど分からないところが見えてくる、そういうものだと思いますので、この人が特に分からないっていうのはすぐには思い付かないですね。申し訳ないです。 ニコニコ動画:ありがとうございました。 司会:ありがとうございます。どなたかほかに。では2列目、はい。マイクのほうにお越しください。お願いします。