「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見(全文2)未来にバトンつなげたい
分離後の撮影はどういう形で行うのか
日刊工業新聞:日刊工業新聞の冨井と申します。よろしくお願いします。2点質問があります。1点目が吉川先生だと思うんですけれども、分離後のカプセル、カプセルを分離したあとの撮影っていうのはどういうふうな形で行われるのか、何点撮れるだとか、どの場面が撮れるかっていうところを教えてください。 というのと、もう1つは豪州のほうのカプセルの回収に関してなんですけども、回収隊っていうのはどこで待機してて、落ちてくるとどういうふうに動くのかというところを教えてください、お願いします。 吉川:ご質問ありがとうございます。では最初のご質問ですね。これはカプセルの撮影ということだと思うんですが、先ほどの説明資料の6ページにスケジュールの一覧表があるんですけれども、そこにカプセルの大気圏突入の時刻が書いてあります。その突入したあと、カプセルが光ってきますので、探査機の姿勢をかなり変えて、ONC-W2という、側面にあるカメラを地球の方向に向けます。そこで撮影をするわけですが、これがどのくらい撮影できるかは、ちょっとこれは難しい撮影なので、試みますけれども、どういう写真が撮れるかはやってみないと分からないという点もあるので、これは撮影後、6日中にはなるべくデータを降ろしてみて確認したいと思っています。よろしいでしょうか。
カプセルは100キロ×30キロぐらいの楕円の領域へ
國中:オーストラリアのほうは、ウーメラというのは東西方向に800キロぐらい、南北方向に500キロぐらいの砂漠地帯になっています。そこでカプセルは100キロ掛ける30キロぐらいの楕円の領域に落ちていきます。その周辺にだいたい10カ所ぐらいに数人のグループが点在して配置されています。そのグループがおのおの電波、ビーコンシグナルを捉える人たち、それからマリンレーダーで観測する人たち、それから望遠鏡やカメラで観測する人たちというふうに分担作業がありまして、そういった仕事を総勢、砂漠地域に展開している人たちは、だから40人ぐらいになりましょうか。そういう人たちが観測をすると、いろんな手法で観測をすると。 そして取りましたデータをウーメラにありますヘッドクオーターといいますか、総合司令所みたいなところに衛星電話を使ってデータを連絡すると。データを全て中央局で分析をして、カプセルの落ちた場所を特定するということになります。そして全ての安全が確認されたあと、ヘリコプターが飛び立つという許可が出ます。つまり空中に物体がありますと、ヘリコプターが事故を起こす可能性がありますので、カプセルが着陸したということを確認された以降、カプセルが落ちているであろう場所にヘリコプターを飛ばして、地上に落ちているであろうカプセルを探すという作業になります。ここまでが夜中の作業になります。 そして日が明けたあと、今度はカプセル、落ちてる、カプセルの場所が分かっておりますので、そこに向かって回収隊、回収班がさまざまな機材を持ってカプセルの落ちてる場所に飛んでいくということをします。そして、回収作業を行って、また中央司令所にヘリコプターが戻っていくという作業になります。ですから、うまくいけば昼ごろ、昼すぎにはカプセルを確保できればいいなと思っておるところです。 司会:では、続きまして、真ん中の手をあげてくださっている、はい、そうですね、お願いいたします。