「8時までは動いていい」ではない 東京都医師会長、政府に「強いメッセージ」注文
東京都医師会の尾崎治夫会長は12日、記者会見で緊急時短宣言下の都内の人出について問われ、「(午後)8時の時短とか、8時以降の飲食外食とかの話がどうも大きくみなさんの頭に残っている。8時までは動いていいんじゃないか、というメッセージにどうも伝わっているということがあると思う」と指摘した。 【動画】東京都医師会が会見 「緊急事態宣言」受けて医療の状況は?(2021年1月12日)
尾崎会長は「例えば、(午後)5時に開いている店はまだまだたくさんある。そういうところでアルコールが入って、飲食をある(一定規模の)人数でやれば、それは感染につながる」と説明した。 そして、「お一人お一人が、人と人の接触を避ける。できるだけ避けることをやらない限り、私は、感染は収まらないと思う。『(一日中)なるべく不要な外出は避けましょう』という強力なメッセージに変えて、とにかくこの1か月をみなさんの力で頑張って乗り切りましょう、という強いメッセージを政府の方にも出してもらいたい」と語った。 尾崎会長は、保健所や公的機関によるクラスター(集団感染)対策に対する「他力本願」にも触れた。「保健所とかが濃厚接触者を拾い上げて隔離してもらうんだから、われわれは努力しなくても大丈夫だという方もいるかもしれないが、もうそういう追跡は、人的資源を考えても限界がきている。クラスター対策というのは、いままでは有効に働いてきたが、現在はそこを追っていくのでは本当に収まらない状況に入ってきている」と警鐘を鳴らした。 メッセージの発し方についても言及。「若い方はSNSとかYouTubeから情報を得ているが、既存のメディア、テレビとか新聞とかはほとんど、おそらく30代くらいの方はほとんど見ていない。訴えかける場所を考えていただいて、若い方に人気がある、関心を引くような方々を使って、そういう訴えを広くしていただければそれなりに効果が出てくるのではないか」と述べた。