大阪府・吉村知事が定例会見4月28日(全文2)根拠をできるだけ丁寧に説明しようと
他府県の事例を把握しているなら教えて
毎日新聞:毎日新聞社の石川と申します。自宅療養に関連して幾つかお伺いをします。まず1点目、今日から周知、運用が始まる自宅療養中の投薬なんですけれども、他府県の事例とかもし把握されていることがあれば教えてください。 吉村:ちょっと他府県の事例は把握してないですね。健康医療部で分かりますかね。他府県でやっているという事例もちょっと聞いてないと思うんですけど。 毎日新聞:なんか参考にされたわけではなく、大阪府独自で。 吉村:そうです。参考にしていません。要は、やっぱり自宅療養者が増えてくる中で、きちんとした薬の投与が受けられるべきだと。僕は参考にしたのは海外の事例です。海外だと自宅療養者に薬を届けるのは当たり前なわけですけど、日本ではそれがないんです。医療従事者がそこに接触するというのもほとんどないのが日本なので、これはやっぱりおかしいんじゃないのというのがそもそもの問題意識でして、特に大阪が自宅療養者が増えてきている状況です。病床も逼迫していると。となれば、自分がもしコロナになったときどう思うかなって考えたときに、軽症であったとしても状態によってはお医者さんと診察をしていただいて、中に入っていくのは難しいとしても、その状況を見ていただいた上でコロナの治療薬というか、コロナ治療に使われている薬を飲ませてもらいたいと思うのは普通の発想だと思うので、それができていなかったことをできるようにしたということです。
宿泊療養をより推奨する理由は
毎日新聞:それと、きのうも知事の囲みの中で、1人でも多く自宅療養者を減らしたいというお言葉がありました。今の大阪府の入院療養の考え方だと、原則としては宿泊療養で、何か特殊な事情がある場合には自宅療養を認めるというような運用になっています。この1年間で宿泊療養だとか自宅療養を巡る動きというのはパルスオキシメーターの配布とか、宿泊施設では酸素投与ということで、ちょっと事情も変わっているので、根本的なところから再度確認なんですけれども、現状、宿泊療養と自宅療養を比べたときに、宿泊療養のほうがより推奨されている理由について、宿泊療養施設のほうが患者を隔離できるという公衆衛生学上の観点からの推奨なのか、あるいはご本人の容体急変に備えたリスク回避という健康上の理由なのか、その両方なのか、その辺りをあらためてお聞かせください。 吉村:まず一番大きくあるのは、看護師さんが24時間体制で見ていただいているということが非常に大きいと思います。ですので、何か容体が急変したときには即座に対応することができると。そして今回、酸素の投与剤も、投与機も導入もいたしましたし、お医者さんが拠点ホテルに滞在をして、24時間オンライン診療をできるようにするということをやっていますから、体制という意味でもやはりホテル療養が原則であるべきだと思います。また公衆衛生上の観点からも、ホテルの場合、外に出るということはないので、できるだけホテル療養ということを促していきたいと思います。 ただ、どうしてもご家庭によってさまざまな判断もあるというふうにも思います。自宅療養、じゃあ1万人全部ホテルに入れるのかというと入れない、数から見てもホテルで3500室ですから、そういった意味で、そもそも自宅療養の方でホテルを希望されるという方も、症状も非常に軽い方もいらっしゃいますので、あるいは無症状に近い方もいらっしゃいますから、ここは保健所が適切に本人のご意見も、ご意向も聞いた上で、適切に振り分けをしていくということですが、原則としてはやっぱりホテル療養、こちらのほうが望ましいと思っています。