日銀・黒田総裁会見10月29日(全文2)2%目標は変える必要なし
先進国の中央銀行は皆掲げている
これが諸外国の中央銀行もそうでありまして、2%の物価安定目標を先進国の中央銀行はほとんど掲げておりますけれども、この10年ぐらいの間、なかなか2%にどこも達していないわけですけども、FRBは一瞬達しましたけども。にもかかわらず、やはり2%の物価安定目標を達成するということは金融政策の目標に掲げていると。これは従来から申し上げているとおり、消費者物価指数はいろんな事情から過大表示する傾向がありますので、その分を十分考慮していく必要があるということと、それから金融政策の余地を残しておく必要があるという意味から2%の物価安定の目標っていうものを先進国の中央銀行は皆掲げて金融政策を行っていると。わが国の中央銀行も同様の考え方であるということであります。
神経質な市場の動きへの警戒感は
日テレNEWS24:すいません、『Market News』【イノウエ 00:48:15】と申します。来週の米国選挙に向けて、市場では神経質な動きが続いているようなんですけど、一部ではやはり円高懸念が結構強いようなんですけど、現状の金利差から見れば日米ほとんど変わらず、それでまた政策の方向性もあまり変わってないと。そうすると円高に振れるような理由というか要因も見受けられないと思うんですけれども、選挙を迎えるに当たっての神経質な市場の動き、その辺の総裁の注意度というか、警戒感をちょっとお伺いしたいんですけども、よろしくお願いします。 黒田:米国大統領選挙の行方とか、その国際金融市場への具体的な影響についてコメントをするというのは差し控えたいと思いますけども、いずれにせよ日本銀行としてはさまざまなイベント、その他の国際金融市場への影響については十分注視して見ていきたいと思っております。それから為替市場はかなり狭いレンジでずっと動いてまして、あまり大きな変動をこのところしてないということも事実で、これはなぜかというのはいろんな議論があるところですけれども比較的、為替市場としては、株式市場とか債券市場に比べるとずっと比較的安定して動いていると。これはそれぞれの、経済が同じような、コロナウイルスという同じようなことに影響されているということもあるでしょうし、それから金融政策、財政政策などの方向も先進国、皆、同じような方向を向いているということもあるかもしれません。 その他いろんな事情があると思いますけども、これまでのところ比較的、安定的に動いているということに尽きると思います。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見10月29日 全文3へ続く