日銀・黒田総裁会見10月29日(全文3完)実体経済と株価の乖離はバブルではない
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の29日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が会見 大規模な金融緩和策を維持(2020年10月29日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が会見 大規模な金融緩和策を維持(2020年10月29日) ◇ ◇
40年債を買い入れオペから外して金利上昇促すのか
日経QUICKニュース:日経QUICKニュースの川上と申します。債券市場についてお聞きしたいんですけれども、今年に入ってからの水準ではありますけれども、30年債、あるいは40年債の金利が結構高止まりしているというふうに思います。0%に近い10年債に比べて魅力があるということで、結構金融機関が超長期債に資金を振り向けているという状況でして実際、生命保険の2020年度の下期の運用計画ですと、中長期の投資に前向きな声が聞かれました。大規模な緩和を続ける中でありますけど、運用利回りの低下という副作用を防ぐために、日銀が40年債を買い入れオペから外して金利上昇を促すんじゃないかというふうな見方がマーケットで一部あるんですけれども、ちょっとこれについてのご認識をお伺いしたいと思います。 また、今の債券市場の機能が低下しているということを考慮して、超長期に限らず買い入れの額であるとか、回数を減らすというお考えは今後あるのかどうかということをお聞きしたいと思います。 黒田:いずれにつきましても、特に今から今後、こういうふうに持っていくということを決めていることはありません。2016年の総括的検証でも述べたとおり、経済活動に大きな影響を与えるのは短期・中期の金利であって、特に超長期の金利というのはあまり経済活動に直接的な影響はなくて、むしろそれがあまり下がり過ぎると生保とか年金の運用利回りが大幅に低下したりして、それが間接的に消費者のコンフィデンスに影響する恐れもあるということで、適切なイールドカーブが望ましいということで、イールドカーブ・コントロールという形で適切なイールドカーブの形成を促しているわけであります。 そういう意味で、今何か、今おっしゃったような超長期の買い入れをやめるとか、あるいはイールドカーブ全般にわたる国債の買い入れについて何か見直しをするというようなことが必要、あるいは適当とも考えておりませんが、ご承知のとおりマーケットの状況を見ながら、これまでも上下、適切に調整してまいりましたし、今後とも適切なイールドカーブが形成されるよう促していきたいと。政策的には政策金利残高にマイナス0.1%、そして10年物国債の誘導目標を0%程度とする中で、このイールドカーブが適切に形成されるように、各レンジの国債を適宜買い入れるということにしておりまして、そういった方針自体は今、変える必要があると思っておりませんし、何か超長期債の買い入れをやめるとか、そういったドラスティックなことを今考えているということはありません。