菅首相が所信表明演説(全文)「経済と環境の好循環」を成長戦略の柱に
菅義偉(よしひで)首相は26日、臨時国会で所信表明演説を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「菅首相が所信表明演説「温室効果ガス、2050年までに排出ゼロ」(2020年10月26日)」に対応しております。 【動画】菅首相が所信表明演説「温室効果ガス、2050年までに排出ゼロ」 ◇ ◇
国民の命と健康を守り抜く
菅:このたび第99代内閣総理大臣に就任をいたしました。新型コロナウイルスの感染拡大と戦後最大の経済の落ち込みという国難のさなかにあって、国のかじ取りという大変重い責任を担うこととなりました。まずあらためて今回の感染症でお亡くなりになられた全ての皆さまに、心からの哀悼の誠をささげます。そしてウイルスとの闘いの最前線に立ち続ける医療現場、保健所の皆さん、介護現場の皆さんをはじめ、多くの方々の献身的なご努力のおかげで今の私たちの暮らしがあります。深い敬意とともに心からの感謝の意を表します。 6月下旬以降の全国的な感染拡大は減少に転じたものの、足元で新規陽性者数の減少は鈍化し、状況は予断を許しません。爆発的な感染を絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜きます。その上で社会経済活動を再開して経済を回復してまいります。今後、冬の季節性インフルエンザ流行期に備え、地域の医療機関で1日平均20万件の検査能力を確保します。重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患を有する方に徹底した検査を行うとともに、医療資源を重症者に【ゲンテンカ 00:02:39】します。ワクチンについては安全性、有効性の確認を最優先に、来年前半までに全ての国民に提供できる数量を確保し、高齢者、基礎疾患のある方々、医療従事者を優先して無料で接種できるようにします。
今後もアベノミクスを継承
私たちが8年前の政権交代以来、一貫して取り組んできたのが経済の再生です。今後もアベノミクスを継承し、さらなる改革を進めてまいります。政権発足前は極端な円高、株安に悩まされましたが、現在はこの新型コロナウイルスの中にあっても、マーケットは安定した動きを見せております。人口が減る中で新たに働く人を400万人増やすことができました。下落し続けていた地方の公示地価は昨年、27年ぶりに上昇に転じました。バブル崩壊後、最高の経済状態を実現したところで新型コロナウイルスが発生しました。 依然厳しい経済状況の中で、まずは雇用を守り、企業が継続できるように最大で200万円の持続化給付金や4000万円の無利子・無担保融資などの対策を続けてまいります。さらにGo To キャンペーンにより旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援します。これまで延べ2500万人以上の方々が宿泊し、感染が判明したのは数十名です。事業者が感染対策をしっかり講じた上で、利用者の方々にはいわゆる3密などに注意していただき、適切に運用してまいります。今後とも新型コロナウイルスが経済に与える影響はじめ、内外の経済動向を注視しながら、ちゅうちょなく必要な対策を講じていく考えであります。 今回の感染症では行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れ、サプライチェーンの偏りなど、さまざまな課題が浮き彫りになりました。デジタル化をはじめ、大胆な規制改革を実現し、ウィズコロナ・ポストコロナの新しい社会をつくります。役所に行かずともあらゆる手続きができる、地方に暮らしていてもテレワークで都会と同じ仕事ができる、都会と同様の医療や教育が受けられる、こうした社会を実現します。 そのため各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進めます。今後5年で自治体のシステムの統一・標準化を行い、どの自治体にお住まいでも行政サービスをいち早くお届けをいたします。マイナンバーカードについては、今後2年半のうちにほぼ全国民に行き渡ることを目指し、来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化をはじめ、運転免許証のデジタル化も進めます。こうした改革を強力に実行していく指令塔となるデジタル庁を設立いたします。来年の仕事に向け障壁を排し、民間の力を大いに取り入れながら早急に準備を進めます。