「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文5)はやぶさ2は“持っていた”
今後やりたいことは
大塚:フリーランスの大塚です。津田プロマネに。長い間、非常に重いストレスで、胃に穴が開きそうなぐらいのたぶん重荷だったと思うんですけれども、それに今、ようやくその重荷から解放されて、ちょっとそれで、まだちょっと気が早いかもしれないんですが、津田プロマネはまだお若いので、これからもまだ、開発人生とかがまだまだ続くと思います。今後例えばどんなプロジェクトがやりたいとか、こんなことがやりたいとか、そういう今後の希望というか展望、何かありましたらお願いします。 津田:まず非常に肩の荷が下りたんですけど、まだ下り切っていなくて。カプセルが帰ってくるところまでしっかり見ていこうと思っていますし、拡張ミッションも見ていこうとは思っています。今後ですけれども、やはり私自身とか、JAXAの中でも私自身が経験したこと、「はやぶさ2」で経験できたことっていうのはやはり、これ、ずっと開発に携わってきたことと、それが一貫してずっと開発の最初から幸い関われましたので、どう開発したからどういう探査ができたんだという一連の流れが、私なりに確固としたものができたというふうに思っています。 私いろいろ探査ミッションやってきましたけれども、こういう本当に最初から最後までずっと付いてできたっていうのは、実はあんまりなくて。途中どこか抜けたり、最後が抜けてしまったりということが多かったんですけど、本当に今回は最初から最後まで経験できたので、これを生かした別のミッションをやっぱり考えたいですね。それは、小惑星探査ミッションも次やるとしたらこうだろうなっていうのもありますし、それにかかわらず、でも深宇宙ミッションには関わりたいですかね。大きな惑星、それから遠くの惑星にも行ってみたいと思っています。
今回は着陸設定範囲の中のどの辺なのか
大塚:ありがとうございます。あと着地地点の確認だけさせてください。初号機のときは國中先生のど真ん中に降りてきたじゃないかというのがすごく印象だったんですけれども、今回、場所としては範囲の中のどの辺、真ん中なのか、ちょっとずれたとか、何か。 津田:これは150掛ける100キロメートルの着陸設定範囲があるんですけど、それは平均風が吹いたときにその真ん中に降りるようにわれわれは探査機を誘導しました。実際、きのうはちょっと西風、高い、高高度の偏西風が強かったようで、もう最初から、きのう、おとといの予想を基に着地点を解析すると、楕円の中のちょっと東側にずれるという予報がありました。 そういうことも見越して、そういった範囲が設定されていたんですけど、その楕円の中心、ど真ん中に着陸するのではなくて、西風が強いために東にずれますよという予想が出て。で、カプセルから分離したあとの分離速度のデータも使って、解析チームがどこに落ちると予想していたんですけど、それは東にずれたもので、その予測に対しては本当にすごい精度で結果として予想できていたと思います。ちょっと最終着地点がまだ回収隊から数字できちんと確認取れていないのですが、絵で見た感じはもう結構、どんぴしゃに近いと思います。 大塚:ありがとうございます。 司会:ありがとうございました。それでは後列真ん中の女性の方。黄緑。はい。