「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文5)はやぶさ2は“持っていた”
どんな技術開発でもありうるのでは
これ自身はたぶんどんな技術開発でもありうることかな、考えなきゃいけないことかなと思うんです。これは人間がやる仕事ですので。今後の宇宙開発においても、だんだん難しいことをやろうとすると、あるいは規模が大きくなると、いろんなルールが多くなって、ルールに縛られると自由度の余地、個人の自由の余地がなくなるということが往々にして生じますが、そうならない、そういうスマートさを持つという、それを、どういうふうにやればそういう自由度と、それから過去の伝統を守る、技術を踏襲するということを、バランスを取れるのかっていうのを、いつもクリエーティブに考えていかなければいけないんではないかなというふうに思ってます。 毎日新聞:分かりました。ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。それでは3列目、一番奥の方どうぞ。女性の方、はい。前のスタンドマイク、お願いします。
今の「はやぶさ2」でしなくてはならないことは
秋山:フリーランスの秋山と申します。よろしくお願いいたします。津田先生にお伺いしたいんですが、現在の「はやぶさ2」の様子といいますか、まず距離の意味でどこにいるのかというところ。例えばもう月より遠くにいるとか、そういったところと、あと、カプセルがもうすでになくなった状態で飛行するというのがどういった状態で、何か飛行のときに気を付けなくてはならないことですとか、このあと拡張ミッションという次のことが始まるのだとすれば、それに向けて今の状態の「はやぶさ2」でしなくてはならないことなどありましたら教えていただけないでしょうか。お願いいたします。 津田:今の飛行距離ですけど、もう少しで30万キロメートルぐらいになりますので、月は38万キロですので、まだ月よりも内側を飛んでいると。ただし秒速4.4キロメートル、時速1万6000キロメートルという速さでどんどん遠ざかっていますので、もうあしたには月よりも外側に飛び出るという状態です。 実は探査機の設計上、今までカプセルが外れた状態で飛ぶということは想定しておりませんで、設計の範囲外でした。「はやぶさ2」ミッションとしては、カプセルを切り離した瞬間、魂はそのカプセル側に乗り移るということになっていたので、探査機側はもう何もしなくていいと、設計条件もないというのが設計条件でした。ただしTCM-5はありますので、そこは短時間だから持たなければいけないとかいうちょっと細かい部分はあるんですけども、われわれが拡張ミッションをやるときには、カプセルが外れた状態でも飛べるかっていうことを今年1年間掛けて、いろんな影響を評価してきました。その上で11年のミッションはできるだろうというふうに判断したということです。 一時期、拡張ミッションをやるときに2つの案があって、2つの小惑星、どっちに行くかをまだ決めてない段階がありましたが、そのときの1つの時間が掛かった理由は、カプセルがない状態で飛行して、そこにカプセルが、穴が開いてるんですけど、穴が開いてる状態になるんですけど、そこに例えば太陽光が入ったとしても探査機の熱状態は大丈夫かとか、そういうことを調べるのに時間を要したんですね。なので、今は大丈夫だと思ってます。 秋山:ありがとうございます。 司会:ありがとうございました。次のご質問に移りたいと思います。じゃあ後列のセーターの。大塚さん、どうぞ。