「摂食障害」は若い女性に多く、精神疾患の中では最も死亡率が高い。 危険なダイエット法がネットに溢れる中、保護者の対応を臨床心理士と考える
母娘関係やSNSとの付き合い方、いじめ、ダイエット…女の子を育てるとき、どのように接するべきか、迷う場面も多いのではないでしょうか。5歳の女の子を育てるエッセイストの犬山紙子さんは「娘を女性であることの痛みからどうにか守りたい」と強く考えたそう。そこで今回は、犬山さんが女の子を育てるときの“どうしよう”を専門家と考えた著書『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』から、臨床心理士のみたらし加奈さんとの対談を一部お届けします。 【書影】女の子を育てるうえで大切にしたいことを、専門家と考える。犬山紙子『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』 * * * * * * * ◆子どもの摂食障害と、保護者の関わり方 犬山 摂食障害は「もっとも死亡率が高い精神疾患」だとも言われています。厚生労働省のサイトによると、「若い女性では100人に1~3人くらいの割合で見られる」と書かれており、かなり多くの少女たちが苦しんでいるのです。 また、摂食障害には主に、 ・極端な食事制限と著しいやせを示す「神経性やせ症」 ・むちゃ食いと体重増加を防ぐための代償行動(嘔吐や下剤乱用など)を繰り返す「神経性過食症」 の2つのタイプに大別されます。保護者はそのとき、どんな対応をしたらいいのでしょうか。 みたらし 摂食障害とは食べることに関する行動の異常によって、心と体の両方に影響が及ぶ病気の総称です。そのなかには、必要な量を食べられなかったり、食べたものを意図的に吐いてしまったり、自分をコントロールできずに食べ過ぎてしまうことなどが含まれます。10~20代の女性に多いとされますが、誰でもなり得る病気です。 世間の「痩せ信仰」や「シンデレラ体重」といった言葉もそうですが、家族や身近な人の何気ないひと言が、摂食障害へ向かうきっかけとなる子もいます。 摂食障害の多くは「ボディイメージのゆがみ」から引き起こされることが多く、そのゆがみを作るきっかけになるのは、SNSでの情報や周りの人の価値観です。なので、周囲の大人が特定のボディイメージを押しつけすぎないことが必要だと思います。
【関連記事】
- 人気ジュエリーデザイナーが「特別」「武装のアイテム」と感じる宝石とは。「ジュエリーを身につける」という行為そのものが、キレイを加速させる
- 過度な美容広告やSNSで容姿に悩む人が増える現代。「自分なりのキレイ」を体現する人たちが共通して持っているものとは
- ハイブランドのバッグを持ち、高級車に乗ることが「センスが良い」わけではない。人気ジュエリーデザイナー流「自分なりのキレイ」を表現するための考え方
- 高校生時代の容姿へのコンプレックスから解放された理由。10年以上ジュエリーデザイナーの仕事を続けて見つけた「自分なりのキレイ」
- 子どもに「やりたくない!」と言われたら、親は受け入れていいの?新しいことに向き合う子どもにかけるべき言葉とは【漫画で解説】