死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文4)北九州市はクラスター班が調査中
3密以外のリスクは見つかっているのか
テレビ朝日:ありがとうございます。続いて日本テレビの庭野さんからのご質問です。3密、声や呼気を出すというリスク要因が見つかっていますが、さらに何か要因が見つかっていますか。今後導入される接触アプリをどうクラスター対策に活用できるか、具体的な点があればお願いします。そしたら先に押谷先生へのご質問からよろしいでしょうか。 押谷:前半のほうだけ私のほうで答えさせていただきます。3密以外に、先ほどちょっと説明させていただきましたけれども、3密以外に声を出すとか、あとは歌を歌うというようなことが1つのおそらくリスクなんだろうということは、諸外国のデータでもそういうことを裏付けるようなデータが出てきています。同時にわれわれが、先ほどもちょっと説明しましたけれども、1人対不特定多数みたいな人たちが密接した接触をする。いわゆる接待を伴う飲食店とか、そういうものも多くの人がいるわけではないですけど、その場に。だけれどもそれはクラスターを生むことになるというようなことを見つけてきています。 まだまだわれわれが見つけていないような要因というのも当然ある可能性があります。そういうところで今後われわれが予期しないような形でクラスターが出てくる可能性があるので、今後もクラスターの解析をすることによって、接待を伴う飲食店とかっていうのもわれわれは最初あまり考えていなかったような形で起きてきたものなので、今後もそういう予期しないような形のものが出てくる可能性があるので、クラスターの解析というのは続けていく必要があるんだというふうに思っています。
どれくらいの国民がアプリを使う必要があるのか
テレビ朝日:ありがとうございます。続いてTBSの牧嶋さんからのご質問です。接触アプリをクラスター対策に利用するにはどれくらいの国民がアプリを入れる必要がありますか。押谷先生。 鈴木:じゃあ押谷先生から補足いただければと思いますけども、まず接触者アプリに関しては間もなく導入という方向で話は進んでいますが、ちょっとまだ現状いつからというふうに決まっている段階ではありません。現場レベル、保健所レベルのとにかく負担を軽減するという意味でも、早期の導入は期待はしているところです。 ただ一方で、国民の一定数が加入していただかない限り有効には機能しないということが分かっています。何%ぐらい加入すればということは、ちょっと西浦先生からサポートいただければと思いますけれども、どれだけ加入していただけるか、活用していただけるかというのが結果的に保健所レベルの負担の軽減にもなるという意味で、期待している一方、ぜひ市民の皆さん方の協力にも懸かっているということを認識していただきたいと思います。押谷先生、西浦先生、よろしくお願いします。 押谷:鈴木先生がおっしゃったように、やっぱり接触者調査って非常に時間が掛かって、大変な調査になりますので、特に感染して具合の悪い人たちに聞かなきゃいけないというような局面もあって、まったくそれを聞けない場もあるわけですね。例えばもうすでに挿管されていて、喉に管が入っていて人工呼吸器を使っているような人たちには、きのうどこ行きましたか、1週間前にどこ行きましたかっていうことは聞けないわけなので、そういうところでも有効なツールになる可能性はありますけれども、先ほど鈴木先生がおっしゃったように、それ、どこまで普及するのかということと、それをどうやって使うのかということは今後の課題なのかと思います。