カズ所属のJFL鈴鹿「八百長未遂事件」の衝撃事実発覚に処分決定も告発者がSNSで反論して騒動は泥沼化
日本サッカー協会(JFA)は5日、今シーズンから元日本代表FW三浦知良(カズ、55)が所属する日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズで、過去に八百長未遂行為があったとして罰金500万円などの処分を科したと発表した。 JFA規律委員会によれば、当該試合は2020年11月29日のソニー仙台とのJFL最終節。同じ三重県を本拠地とするヴィアティン三重がJ3へ昇格する可能性を小さくするために、鈴鹿のクラブ幹部による敗退行為の指示があったと認定。監督および選手の反発で八百長は成立しなかったものの、違法性は排除できないと判断された。 当該試合は0-3の没収試合とされ、鈴鹿のオーナーに3ヵ月、運営会社社長には1ヵ月のサッカー関連活動禁止が科されたが、ネット上では処分が軽すぎると批判が殺到。具体的な指示を行ったとして2年間のサッカー関連活動禁止を科された元役員がツイッター上で反論を展開するなど、騒動は泥沼化の様相を呈している。
2年前のソニー仙台戦での衝撃出来事
外部の有識者らを交えて独自調査を進めていたJFLが、2月の段階で「懲罰の対象になりうる」と表現を曖昧にしていた、鈴鹿による衝撃的な行為が明らかになった。 JFLの報告を受けて審議を重ねてきたJFAの規律委員会は5日、鈴鹿、それぞれA、B、C各氏と名前を伏せた鈴鹿の運営会社の吉田雅一代表取締役、オーナーの西岡保之会長、元役員の塩見大輔氏を当事者とする懲罰処分を決定・通知した。 鈴鹿幹部による敗退行為が指示されたと規律委員会が認定したのは、敵地ユアテックスタジアムで2020年11月29日に行われたソニー仙台とのJFL最終節だった。 キックオフを前にして、2位テゲバジャーロ宮崎のJ3昇格がすでに確定。J3へ昇格する資格を有していなかった5位の鈴鹿をはさんで、6位にいわきFC、7位に三重、8位にはFC大阪と昇格の可能性を残すクラブが僅差で続いていた。 JFLからJ3へ昇格するにはリーグ戦で4位以内に入り、なおかつJリーグ百年構想クラブ内で上位2位を満たさなければいけない。上位を首位ヴェルスパ大分、3位の仙台、4位のHonda FCとJリーグ百年構想クラブ以外が占めていた状況から、翌シーズンのJ3昇格を目指す鈴鹿は、昇格が宮崎のみとなる状況が望ましいと判断した。 特に同じ三重県を本拠地とするライバルの三重が、鈴鹿よりも先にJクラブの仲間入りを果たす状況だけはどうしても避けたかった。仙台戦を2日後に控えた11月27日に、鈴鹿スポーツガーデン内の会議室で吉田、西岡、塩見各氏と当時のミラグロス・マルティネス監督、スタッフ2人が集まったミーティングで西岡氏がこう発言した。 「もう昇格も降格もないので、この試合は必ず勝たなければいけない試合ではない。負けてもいい試合なので若手や出場機会のなかった選手を使ってほしい。仮に0対1で負けていて、残り時間が少ない場合(中略)追いつこうとせずに、そのまま負けるという選択肢を選んで欲しい」(JFA公式ホームページより、以下同じ)