23日開業「北大阪急行」の延伸線 「田園風景」と「アクセス性」の両立
さらに進むと、箕面船場阪大前駅の出入り口が現れます。付近には大阪船場繊維卸商団地や大阪大学箕面キャンパスがあるため、このような駅名になったのでしょう。こちらも立ち入ることはできませんが、工事はほぼ終わっているようです。 坂を登りきったあたりでは、タワーマンションの工事が行われていました。工事の看板によると、このマンションの高さは99.9m(地上31階・地下1階)と、通天閣とほぼ同程度です。 着工は23年10月1日、竣工予定は26年11月15日。完成すればこのあたりの光景や人通りががらりと変わるだろう、と思いながら、千里中央駅に向かって坂を降りていきました。
箕面市街地の中部・東部の交通利便性が課題
箕面市の南3分の1は市街地、残る3分の2は山間部です。市街地の西部には阪急箕面線があるのに対し、中部や東部には鉄道がなく、交通利便性が低いのが課題でした。 2014年に同市がまとめた「北大阪急行延伸プロジェクト・アウトライン」によると、1968年に策定した同市の総合計画で、「大阪都心のベッドタウンとして著しく発展しようとする本市にとって不可欠の要件」として延伸構想が初登場します。 その後、同計画を新たに策定するごとに構想の中身をより具体化。大阪府や北大阪急行らも含めて検討を進めた結果、2014年に延伸線の概要や費用負担割合で基本合意しました。2016年に工事を開始し、今日に至ります。
同市や箕面商工会議所らで構成する北大阪急行線延伸推進会議のPR誌によると、延伸による経済波及効果について、地価の上昇や工事によって3227億円の初期効果を、商業施設の売上アップや税収増などで614億円の年間の効果を見込んでいるとのことです。 「今回の鉄道延伸によって交通の利便性が向上するので、平日は都心で働いて、週末は緑豊かで自然が多い箕面市でのんびり過ごす、という住宅都市が完成するのかな、と思っています」と同市地域創造部鉄道延伸室の担当者は期待します。