北陸新幹線「小浜・京都ルート」 ついに京都府議会自民党から「NO」の声! しかしなぜか要望書は再提出、もしや“内部分裂”の危機なのか?
小浜市はルート推進に期待
小浜・京都ルートか米原ルートかで揺れる北陸新幹線大阪延伸で、京都府議会自民党会派からも小浜・京都ルートに「反対する声」が出た。推進派は2025年度着工を目指すが、状況はさらに混とんとしてきた。 【画像】「なんとぉぉぉぉ!」 これが44年前の「米原駅」です! 画像で見る(計17枚) 「次世代の命や経済を守るためにも、日本海側を通る小浜・京都ルートが必要。年内にルート決定することを約束したい」 11月中旬、福井県小浜市のJA福井県小浜支店で開かれた小浜・京都ルート早期実現のシンポジウム。登壇した与党北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会の西田昌司委員長が声を張り上げた。 与党整備委員会は小浜・京都ルートの詳細を年内に決定し、2025年度から工事に入ることを目指している。会場には杉本達治福井県知事、杉本和範小浜市長ら約350人が詰めかけ、ガンバローを三唱して早期実現に気勢を上げた。 小浜市は1973(昭和48)年の北陸新幹線整備計画決定で小浜市付近を通過することが盛り込まれて以来、50年以上も開通を待ち望んできた。小浜市新幹線・交通まちづくり課は 「新幹線は若狭地方全体の悲願。一気に話が進んでほしい」 と期待する。
ルート変更論争勃発
だが、“雲行き”が怪しくなってきた――。 北陸新幹線の大阪早期延伸に向け、福井県敦賀市の敦賀駅から滋賀県米原市の米原駅を結ぶ米原ルートへの変更を求める声が高まるなか、11日に京都府議会最大会派の自民党府議団と府北部選出の同会派所属府議6人から、それぞれの 「小浜・京都ルート再考を求める要望書」 が西脇隆俊京都府知事に提出されたからだ。両要望書は小浜・京都ルートの概算事業費が当初試算から2倍以上の 「最大5.3兆円」 に膨らみ、工期も15年から最長28年に伸びることを問題視、 「着工の前提条件が崩れ、京都府の地元負担が増大しそう」 などとして国にルート再考を求めるよう要請している。代替ルートは示していない。これに対し、西脇知事は「要望は受け止めたい」と述べたが、20日になって自民党府議団から府秘書課へ 「「ルート変更」の文言を後退させた府議団要望書」 が再提出された。同会派所属の府議が自身のブログで「会派の会議に提案すらされていない虚偽文書」と反発するなど、府議団内の混乱もうかがえる。