日銀・黒田総裁会見10月28日(全文2)矢野次官の寄稿へのコメントは差し控えたいが
特別付利制度開始についての受け止めを
ニッキン:すみません、ニッキンの【タダ 00:34:09】と申します。特別付利制度についてお聞きします。先月から適用が始まりましたけれども、地域金融機関の昨年度の決算からしますと、初年度は【***** 00:34:21】先が適用、付利を受けていると思われますけれども、制度の適用開始を受けて、あらためて受け止めですとか感想を伺えればと思います。 また、この制度はプルーデンス政策の一環だと思うんですけれども、地域銀行の行動によっては制度の【****ジョウ 00:34:39】でマイナス金利政策というか、超低金利政策の下でも小売市場に、プラス圏での取引も含めてレートの上昇要因になりうると思われるんですけれども、あらためて日銀の政策の中での特別付利の位置付けについても伺えればと思います。 黒田:特別付利の位置付けっていうのは、気候変動対応オペの話でしょうか。 ニッキン:地域金融機関に対しての日銀当座預金制度ですかね、特別付利制度なんですけれども。経営基盤強化のですね。 黒田:これはご指摘のような仕組みで始まっているわけですけども、具体的な適用状況とかその内容というのは日銀の決算が発表されるときに具体的に示されるということでありまして、今の時点で具体的にどういう状況になっているかというのを申し上げるのは時期尚早だと思います。
これ以上の円安は起こりそうなのか
東京新聞:東京新聞の皆川と申します。総裁は先ほど、実質実効為替レートにつきましてはコメントを控えるとおっしゃいましたけれども、2015年に国会のほうで実質実効レートを参照されて、これ以上、円安は起こりそうもないとご発言されました。相対的に日本の物価の上昇は緩やかでありまして、現在の実質実効レートが2015年当時の水準にやや近づいているのではないかと。客観的にこういう状態になっているんですけれども、あらためてこれ以上の円安は起こりそうなのか、そうでないのか、見解をお伺いできればと思います。 黒田:2015年のときも具体的に実質実効為替レートを示して、過去の例から言ってこれ以上、実質実効為替レートが円安に振れていくということがあるのかないのかという話になって、それに対して当時、そういったお答えをしたんですけれども、これはあくまでも実質実効為替レートの話で、名目為替レートがどう動くかということと、実際はかなり懸け離れた話なんですね。 ですから理論的な議論としてあるし、経済学者の方々は実質実効為替レートについていろいろ議論されますけれども、先ほど申し上げたように、絶対的なノルムみたいなのがあって、それに実質実効為替レートが近づくとか近づかないとか、そういう議論はないんですよね。だから、あくまでもそういうものとして示されることは、それ自体として分かりますけれども、それの将来がどうなるかと言われても、それは物価とか名目為替レートとか、それから実質実効ですから、貿易比重によっても変わってくるんですよね。 ですから事後的な経済分析に何か意味があるとしても、事前の政策的な議論にとって何か意味があるとは、私は思っていないんですね。あくまでも先ほど申し上げたように、経済・金融のファンダメンタルズに則して名目為替レートが安定しているかどうかということに尽きるんだと思いますけどね。