菅首相が「宣言」延長&「退陣」会見(全文1)接種加速化は間違いではなかった
菅義偉(よしひで)首相は9日夜、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「菅首相が会見「社会経済活動、正常化へ」 ワクチン接種証明などで制限緩和(2021年9月9日)」に対応しております。 【動画】菅首相が会見「社会経済活動、正常化へ」 ワクチン接種証明などで制限緩和(2021年9月9日) ◇ ◇
19都道府県の緊急事態宣言延長を決定
司会:ただ今より、菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。 菅:本日、新型コロナ対策本部を開催し、19の都道府県の緊急事態宣言の延長を決定いたしました。期間は今月30日までとし、宮城県、岡山県の宣言は解除します。まん延防止等重点措置については、宮城県、岡山県を加え8つの県を対象とし、期間は今月30日までとします。富山県、山梨県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県については9月12日をもって解除します。併せて飲食店の時間短縮、テレワークなどの感染対策を継続することといたしました。 全国各地で感染者はようやく減少傾向をたどっておりますが、重症者数は依然として高い水準が続いております。昨日の専門家による提言では宣言の解除に関する考え方が示されました。病床使用率が50%を下回っていること、重症者、新規感染者、自宅療養者の数が減少傾向にあること、ワクチン接種の効果などを総合的に検討することとされ、これを踏まえ判断いたしました。
接種が進むことで戦略的な闘いができるように
私自身が内閣総理大臣に就任して1年がたちますが、この間まさに、新型コロナの闘いに明け暮れた日々でした。国民の命、暮らしを守る、この一心で走り続けてきました。今日まで大変なご尽力をいただいております医療・介護をはじめとする関係者の皆さん、国民の皆さん、お1人お1人のご協力に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 新型コロナという見えない敵との闘いは暗いトンネルの中を1歩1歩手探りで進んでいくことにも似た、極めて困難なものでありました。救急車の音を聞けば、必要な医療が届いているのか、飲食店や観光業の皆さんのなりわいや暮らしは大丈夫か、そうした不安を何度も感じてきました。そのたびに現場の声を聞き、専門家のご意見を伺い、国民にとって最善の道はどれなのか、担当閣僚とも議論を尽くし、決断をしてきました。 ウイルスは変異を繰り返し、世界でいまだに猛威を振るっています。パネルが示すとおり、日本においても何度となく感染の波をもたらしてきました。この1年の間、皆さんと共に闘い続けてきた結果、多くのことを学びました。その1つは、ウイルスの存在を前提に、繰り返される新たな感染拡大への備えを固め、同時にいわゆるウィズコロナの社会経済活動を進めていく必要があるということです。 もう1つはワクチンは効くということです。世界の激しい獲得競争の中で、4月の訪米で全ての国民の分をなんとか確保し、5月の連休明けには本格的な接種を始めました。6月は1日平均110万回、そして7月は150万回、8月は120万回、予想を上回るペースで進み、1億4000万回を超えました。パネルにありますように、欧米諸国と比べても速いペースで接種が進んでいます。今月末には全国民の7割の方が少なくとも1回の接種を、6割の方が2回の接種を終え、現在の各国と同じ水準になると見込まれています。 デルタ株による感染拡大の中でも2回接種を済ませた方の感染は接種してない方の13分の1でした。最も重症化リスクの高い高齢者の約9割が2回接種を終えたこともあり、その重症者、死亡者数は極めて少なくなってきてます。パネルが示すとおり、今回の感染拡大を前回と比較すると、大きな変化が見られます。感染者は2.9倍に増えたのに対し、重症者は1.6倍にとどまり、死亡者は6割減少しています。ワクチン接種が進むことで状況はまったく異なったものとなり、戦略的な闘いができるようになっているのです。