W杯抽選…日本はスペイン、ドイツ、大陸間プレーオフ勝者との”死の組”を突破することができるのか?
決して簡単な戦いにはならない。ただ、第2戦で確実に勝利を収めるための準備を整えていけば、おのずとドイツとの初戦へも良好なコンディションで臨める。2試合で勝ち点4を得られれば、スペインとの最終戦にかかってくるプレッシャーも軽減されるし、決勝トーナメント以降を見すえながらの戦いも可能になってくる。 組み合わせ抽選会が行われたドーハは、森保監督が日本代表のボランチを務めた現役時代の1993年10月に集中開催されたアジア最終予選を戦った舞台だった。 当時は北朝鮮との第3戦、韓国との第4戦に連勝して首位に浮上。イラクとの最終戦で勝てばアメリカ大会出場が決まる状況で後半アディショナルタイムに悪夢の同点ゴールを喫した。悔し涙を流したピッチにいた森保監督は、最後にこんな決意を語った。 「このドーハはワールドカップ出場の夢をつかみ取れなかった場ではあるが、今回は監督としてワールドカップに臨んでドーハの歓喜に変えたい」 29年もの時を超えて、ドーハの「悲劇」を「歓喜」に変える。対戦国を脳裏に刻んだ森保監督はドーハから日本ではなくヨーロッパへと向かい、カタールの地で待つ戦いの主軸を担うヨーロッパ組の視察から新たな戦いをスタートさせる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)