大谷翔平は1時間の帰国会見で何を語ったか…「落ち込んだこともある」の告白から家庭を持つタイミング、新庄監督まで真摯に対応
――“投手・大谷”が、来年以降、さらに良くなると感じている理由は? 「一番良かったのは、イニング数、試合数を増やせたこと。その中で体のなじみだったりが、後半が進むにつれてどんどん良くなってきた。その延長戦上で来年入りたい。球速も上がると思う。あとはメカニックの問題。フィジカルの維持を一番最初にすること」 ――今季はノビノビと楽しくプレーしているように見えた。メンタルをどう整えているのか? 「落ち込んだりもする。今年の最後の方なんかはメジャーに来てから一番精神的に(きつかった)というか、なかなかチームに勝ちもついてこないし、ポストシーズン…その先が見えてこない中での戦いが多かったので精神的にきつい場面が多かった。打てない、打たれたとかで落ち込んだりすることもある。メジャーは、毎日、毎日、連戦、連戦なので、良かった、悪かったの結果が必ず出てくる。きょうは良かった、今日はここが悪かったとかが出てくるのは幸せなことだと思っている。普通の生活では味わえない経験をさせてもらうのがうれしいこと。試合に出るからこそ、そういうのがある。試合に怪我で出れないこともあった。落ち込むことも含めていい1年だったと思っている」 ――落ち込んでも立ち上がる。一番の原動力は? 「一番は球場に足を運んでくれているファンの人。結果が出る、出ないにかかわらず来てくださるファンがいるし、そういうファンの方が喜んでいる姿がみたい。あとは、こうなりたいという目標に対して、あきらめきれない気持ちがそうさせてくれる。日々の練習もそう。目標がそういう気持ちにさせてくれる」 ――私生活で一番、お世話になった方は? 「お世話になったのは一平さん(通訳の水原氏)じゃないですか。常に一緒に仕事もしている」 ――この間、心に残っている家族からの言葉は? 「基本的に人に相談することあまりない人間なので、そんなにないですね(笑)」 ――今季は覚醒したように見える。考え方を変えた? 「考え方を変えるというのはない。怪我も続いていた去年はいいシーズンじゃなかったし、チャンスを多くもらえる立場ではなかったというのが(今季と)大きく違うところ。メンタル的に何を変えたというのはない。試合に出ていると勝ちたいなと思うのが普通。チーム的に苦しい状態が続いていたので、より勝ちたいなという気持ちが毎年、毎年、高くなっている」 ――今季は登板の翌日も出場した。 「シーズンが始まる前にそういう形になることが決まっていたわけじゃない。自分が出れると思った試合は、コミュニケーションを(マドン監督と)取りながらやっていこうということだったが、思ったより出られるねとなった。シーズン通して、それができるとわかったことが来年につながる」 ――もっと伸びる? 「ピッチングではイニング数もまだそこまで多くない。数を増やせば、もっと高いレベルで数字が残るんじゃないか」 ――シーズン中の食事面で気をつけている点は? 「シーズン中は、ビュッフェ形式で球場で出ている決まったものの中で自分でとっていくスタイル。ホテルに帰ってもホテルのものしかない。シーズン中はカロリーと運動量のバランスを考えることくらい。オフのほうが、栄養素に関しては細かくやっていくイメージ」 ――日常生活でのひらめきで取り入れたことは? 「カットボールを多めに投げた。後半に入ると凄く良かった。スプリットもそう。この二つは大きかった」 ――どのタイミングでひらめく? 「寝るときとか、なんかいけそうかなと、出てくるのがやっていて面白い。次の試合で試してみようとか、そこがやってみて楽しいところ」 ――メジャーでも二刀流を志望する選手が出てきている。 「個人的にはうれしいこと。受け入れてくれる環境があるだけでも、やっている側としてうれしい。メジャーは、能力の高い人がいっぱいいる。投げても凄いんだろうな、打っても凄いんだろうなという選手がいっぱいいるので個人的には可能性を見てみたい」 ――日米で二刀流をスタートして9年になる。気持ちに変化は? 「今は変わらない。1年目に(二刀流を)やるにあたって、アメリカの方が懐疑的な声はあったが、受け入れてくれる器が広いと感じた。日本の1年目のほうが、幅としては狭かったなという印象が強い。今は何も気にすることはない。あとは自分で結果を出すだけ。そういう意味では、変わったかもしれない」 ――これからも二刀流を? 「ここまで頑張ってきた。もっともっと高くいけると思う。まだまだ頑張っていきたい」