なぜ亀田3兄弟は控訴審でも約1億円の倍増以上の賠償額で勝訴したのか…財政破綻のJBCが“解散”の衝撃事実も判明
プロボクシングの元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(35)、元2階級制覇王者の大毅氏(33)ら3兄弟が「違法な処分により経済的損失を受けた」として日本ボクシングコミッション(JBC)らに6億6400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日下され、東京高裁は一審の判決を追認してJBC側に計1億10万円の支払いを命じた。裁判所内の記者クラブで会見した興毅氏は「勝利宣言」。テレビタレントとしても活躍している北村晴男弁護士は「1ミリも反省していない」との厳しい批判をJBCに突きつけた。一方のJBC側の永田有平理事長は最高裁への上告についての態度は明らかにせず、判決に「残念で驚いている」と戸惑いを見せたが、すでに財政が破綻、一般財団法人としての「解散」が決定しているという衝撃事実も判明した。JBCは、今後、どうなるのか。亀田裁判が問いかけたものはいったい何だったのか。
「僕としては勝利宣言」
失った時間の代償として1億円は安すぎるかもしれない。 高裁は、2020年1月31日に出された一審の判決を支持するどころか、命じられた賠償額は一審の4550万円から倍増以上の1億10万円となった。 「JBCが最高裁の方に上告するかも…まだわからないですが僕としては勝利宣言」 3150ファイトクラブ会長でもある興毅氏は、そう言った。 まさに完勝だろう。賠償額が倍額以上になった理由について北村弁護士は、「違法処分がなければできたはずの試合数が一審の1試合から2試合になったことが影響している」と説明。さらにJBCをこう断罪した。 「プロボクシングの絶対権力者で誰も批判できない組織が違法行為を行ったと認定されたことに感謝したい。JBCは1ミリも反省していない。前事務局長の安河内剛さんの違法解雇事件がなぜ行われたかを第三者機関が検討して組織改革する行為が一切行われていない。選手に違法な処分を行い、国内での試合が行われなくなるという重大な決定にも平然としていられる冷酷な組織」 一方のJBC側もオンライン会見を開き、永田理事長は「我々の主張が受け入れられず残念。(倍増の賠償額には)驚いた」と判決に戸惑いを見せた。 最高裁への上告については「今後、判決文を精査した上で決めたい」と態度を保留した。ただ「プロ協会(日本プロボクシング協会)とも一緒に(上告の是非を)考えていくべき」という姿勢も明かした。