なぜ亀田3兄弟は控訴審でも約1億円の倍増以上の賠償額で勝訴したのか…財政破綻のJBCが“解散”の衝撃事実も判明
北村弁護士は、今後のJBCの再生プランとして2つの可能性を口にした。 「まともな組織であれば、借り入れをして財政を立て直しつつ、プラス適法な行為を行う。違法な行為は一切行わないようなチェック体制を作り、本件の責任を負っているすべての人が辞めて、まともな組織を作り直す。もう一つの選択肢としてあり得るのは、財政が破綻しました。破産しました。そして新たにまともな組織をボクシング界のどなたかが作りあげる。大きく分ければ、この2つ」 この指摘は的を射ているだろう。 永田理事長も、あらゆる可能性を検討していることを明かした。 「すべてのことをいろいろ考えてやっていきたい。我々にとってどういう形がベストなのか。試合を継続するということが大切ですので、みなさんにご迷惑をかけないような形を考えていきたい。最善の道を考えていきたい」 すでに日本プロボクシング協会側は、財政破綻に備え、独自で興行を運営するために準備委員会の立ち上げを決定していた。 JBCの不手際により4階級制覇王者、井岡一翔(志成)の名誉を傷つけたドーピング問題に、亀田裁判の敗訴による財政破綻の決定打で、歴史と伝統のあるプロボクシング界の“法の番人”であるJBCは、もう破滅という最後の一線を越えてしまった。 今後は、日本プロボクシング協会側と協議しながら、まずJBCの組織を崩壊させてしまった責任の所在を明確にした上で、退任を要求されている理事らを含む人心を一新し、再出発のプランをガラス張りで構築することが必要だろう。 最後に。 興毅氏は、記者会見の終わりに「本件とは関係ないが」と断った上で、2010年に控室で関係者に暴言を吐いたことでライセンスを取り消されて以来、事実上の“永久追放”となっている父の亀田史郎氏(56)の“現場復帰”に動いていることを明かした。大阪でジムを設立した昨年から動きはじめ、西日本ボクシング協会からJBCに嘆願書と共にトレーナーライセンスの申請をしてもらう最終段階にきているという。 「あれから12年、座敷牢にいる状態。3兄弟を世界王者にしてギネス記録にまでなった。自分にとっても、大毅、和毅、姫月にとっても世界一のオヤジなんで。亀田劇場復活には必要。オヤジを再興させた暁には“どんなもんじゃい”と言いたい」 ちなみにジム名の3150ファイトクラブの3150には「最高」と共に「再興」との願いも込められているという。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)