JBCに勝訴!賠償金4550万円を勝ち取り亀田興毅氏は安堵、涙、そして静かに吠えた「関わったJBC理事の全員辞職がボクシング界の改革に重要」
元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(33)ら3兄弟と亀田プロモーションがJBC(日本ボクシングコミッション)の不当な処分によりライセンスを失効し、多大な損害を被ったとして6億6400万円の損害賠償を求めた民事裁判の判決が31日、東京高裁で下されJBCに4450万円の支払いを命じた。亀田氏側の主張が全面的に認められ、JBCが当時下した処分及び、再申請を却下し続けた行為を違法と認定し、JBCの理事長、事務局長ら関係者の責任を厳しく問う判決となった。 JBCは処分当時の理事長、事務局長、事務局長代行らと連帯して、亀田興毅氏に1200万円、大毅氏に750万円、和毅氏に1100万円、亀田プロモーションに1500万円の支払いを命じられた。判決を受けて、同日、東京地裁内の司法記者クラブで亀田興毅氏と北村晴男弁護士らが会見した。 タレントとしても活躍している北村弁護士は、「認識している損害額よりはるかに少ない認定」としながらも「JBCの違法行為がこちらの主張どおりに認められた。勝訴だと思う」と判決を評価した。 そして、「自浄作用のないJBCは組織が変わらない限り同様の違法行為が繰り返される可能性がある。組織の抜本的な改革が求められる。それが我々が訴訟をした最大の目的でもある」と裁判の真の狙いがJBC改革にあることを明かした。 亀田氏は「長い戦いにひと区切りついた。安堵しています」と判決に納得しながらも、途中、違法処分を受ける発端となった弟・大毅氏の話をし始めて言葉につまり涙ぐんだ。 「対戦相手が計量オーバーして、本来ならしなくてもよかったんだけどボクサーとして勇敢に戦って善戦虚しく1-2判定で敗れた。結果、亀田側が批難されて、それ以降、日本で試合ができなくなってすごく苦しい時間があった。興行する側からすれば、日本にファンがいてスポンサーがいるので海外では苦しい。経済的なダメージには、計り知れないものがあった。当時を今になってふりかえると思い出したくもないくらい苦しいときだった。大毅は引退することになった」 そしてJBC体制の一新を訴えた。 「ひとつのカタチが出たということは嬉しいが、これからのボクシング界を考えると当時関わった関係者、理事が代わらないことにはボクシング界は変わらない。同じようなボクサーが、5年後、10年後に出てくるのは可哀そう。コミッションは公平でないといけない。好き嫌いの感情で動くのではなく中立的立場でいなくちゃいけない。責任ある理事の方たちが全員辞任するのが、改革に向けてなによりも重要なことではないかなと思った」