「私はただやっぱり自分が大事だと思っている問題意識を小説の中に取り込んで、そして自分が書きたいものを書いて、それに尽きるかなと思います」と李さん

　第165回芥川賞・直木賞が14日発表され、芥川賞には石沢麻依さん（41）の「貝に続く場所にて」と、李琴峰（り・ことみ）さん（31）の「彼岸花（ひがんばな）が咲く島」、直木賞には佐藤究（きわむ）さん（43）の「テスカトリポカ」と、澤田瞳子（とうこ）さん（43）の「星落ちて、なお」がそれぞれ選ばれた。同日夜、4氏の記者会見が都内のホテルで開かれた。 【動画】第165回芥川賞に石沢麻依さんと李琴峰さん、直木賞は佐藤究さんと澤田瞳子さん（2021年7月14日） ※【＊＊＊＊　00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「第165回芥川賞に石沢麻依さんと李琴峰さん、直木賞は佐藤究さんと澤田瞳子さん（2021年7月14日）」に対応しております。 　　　　　◇　　　　　◇

出たくないなと思って受信拒否

司会：それでは記者会見のほうに移らせていただきます。『彼岸花が咲く島』で芥川賞を受賞されました李琴峰さんの記者会見に入ります。まず李琴峰さん、おめでとうございます。まず今のお気持ちからお聞かせください。 李：あ、あ、おお、ちゃんと声入っています。さっき、受賞の連絡をいただいたときに本当に驚きました。なぜかというとトイレの中にいたんですよ。で、なんか、え？　出たくないなと思って2回、受信拒否しました。いや、本当になんかタイミング悪いなと思いました。 　受賞して一番言わなければいけないことはといえば、やっぱり感謝ですね。小説っていうのは1人でも書けるんですけれども、やっぱり本にして読者に届けるためにはいろんな方々が関わっていないといけないし、ましてや受賞となると、文学賞の裏で関わっている選考委員の方々、そしてスタッフ、運営スタッフの方々、本当にありがとうございます。そして一番やっぱり感謝しないといけないのは、これまで李琴峰作品を読んできて応援してくれた読者の皆さんです。これから皆さんは、え、李琴峰？　芥川賞を取る前から読んでたよというふうに胸を張って言えると思います。本日はよろしくお願いします。