「運転手がいない」自動運転バスの実証実験 大阪メトロが報道陣に公開
大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は現在、大阪市の舞洲(大阪市此花区)で自動運転バスの実証実験を行っています。この実験では、運転手が乗らない自動運転バスを運行するために必要な技術を、実際にバスを走らせて検証しています。15日に開かれた報道陣向け試乗会に参加して、実験の模様を取材しました。 【拡大写真】大阪湾の臨海部にある人工島の「夢洲(ゆめしま)」
限定エリア内で運転を完全自動化する「レベル4」
15日午前、冷たい風に吹かれながら舞洲北部の砂利道を歩いていくと、自動運転バスの実証実験会場に到着しました。 テストコースの交差点に信号機が設置されている光景は、自動車教習所に似ています。
自動運転は、自動化の度合いで6段階のレベルに分かれている
自動運転は、自動化の度合いで6段階のレベルに分かれており、今回行われるのは、限定されたエリア内で運転を完全に自動化する「レベル4」の実験です。その上には、エリアの制限なしに運転を完全自動化する「レベル5」しかありません。 実験では、テストコース内を走行して、添乗スタッフが一切運転に関わらずに運行できることを実証する他、信号機と情報をやり取りして青信号なら進み、赤信号なら止まる「信号協調」、複数台数・車種の遠隔監視などを検証します。
道路上に塗られた特殊な塗料をセンサーでたどって自動運転
また、限定エリア内で部分的に運転を自動化する「レベル2」車両を夢洲、咲州といった周辺の公道で走らせて、位置を把握するのに必要なGPS(衛星利用測位システム)が受信しづらい場合にも、道路上に塗られた特殊な塗料をセンサーでたどって自動運転が行えるかどうかを実証します。 実際に「レベル4」車両に試乗してみました。車両は、運転席のない小さな自動運転バス「NAVYA ARMA(ナビヤアルマ)」。添乗スタッフは1人乗っていますが、運転操作は一切行わないとのことです。
1周400mのテストコースは、陸上競技場のトラックのような形をしています。運転者のいない車両は、直線からカーブに入り、再び直線へと自動的に走行。途中、交差点で赤信号の時や、遠隔監視室からの操作時にはしっかりと停止していました。 実験期間は、12月1日から年末年始の休止をはさんで来年1月31日まで。なお、18日から20日の3日間は、一般募集したモニター240人が自動運転バスに試乗するなど、実験内容を体験できる催しも開かれる予定です。