「ミャクミャク」になぜ「様」が付いたのか? 研究者に聞くキャラとしての魅力とは
大阪・関西万博の公式キャラクターの名前が「ミャクミャク」に決定したと発表された途端、SNS上で「ミャクミャク」に「様」または「さま」と敬称をつけた投稿が相次ぎ、その後定着した感があります。これは、東京五輪の公式キャラクターでは見られなかった現象です。一体、なぜ「ミャクミャク」は「ミャクミャク様」になったのか、そして、キャラクターとしての魅力はどこにあるのか、関連分野の研究者に見解を聞いてみました。 【動画】大阪で行われた国内最大級の花火大会で巨大ドローンによって描かれたミャクミャク
大学教授「『様』と書かれている投稿が出てきて驚き」
7月18日夜、大阪・関西万博の開幕1000日前イベント「1000 Days to Go!」が東京と大阪で同時開催され、大阪・関西万博の公式キャラクターの名前が「ミャクミャク」に決まったと発表されました。 その発表後、SNS上ですぐに敬称付きの投稿が登場しています。「実際に7月18日のツイッターを検索したら、ミャクミャク『様』と書かれている投稿がずらっと出てきて驚きました」と語るのは、成蹊大学文学部の伊藤昌亮(まさあき)教授(デジタルメディア論)です。 その後、敬称付き投稿は定着している様子で、筆者が9月後半から1か月間のツイッター投稿を検索したところ、「ミャクミャク」という言葉が記された投稿全体の約7割が「様」または「さま」付きでした。
ネット上のポジティブな「祭り」
こうした現象について、伊藤教授は「ネット上のポジティブな『祭り』」との見方を示します。 「五輪とか万博といった巨大イベントは、メディアを通じて楽しむある種のメディアイベントです。昔はみんながテレビを見て、感動していましたが、ネット時代の今は、提供されたネタを受けて人々が自分たちの『祭り』を繰り広げていく形に変わりました。この『祭り』には2種類あって、1つは非常に楽しく盛り上がる祭り、もう1つは血祭りです。東京五輪は公式エンブレム問題などで様々な人たちが血祭りの対象になりましたが、万博は前者であり、ポジティブな捉え方をされていると思います」 キャラの名前に敬称が付けられたことについて、「例えば(ドラゴンボールの)フリーザや(ヤッターマンの)ドロンジョなど、キャラに『様』が付けられることは昔からありました」と伊藤教授。「『様』をつけることでなんか親しみやすくなっちゃうところがあって、ミャクミャク『様』って言うと自分の知りあいみたいな感じがします」