トヨタ「スープラ」生産終了! 17年ぶり復活から6年目に「ファイナルエディション」発売! 同時に一部改良も!? 「あくまでも現行が無くなる?」 今後は?
豊田章男会長の強い想いで17年ぶりに蘇った現行型「“A90”スープラ」
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタガズーレーシング:TGR)は2024年11月28日、スポーツカー「スープラ(GRスープラ)」をベースに現行スープラの集大成として、台数限定の特別仕様車「A90 Final Edition(A90ファイナルエディション)」を発表し、現行モデルの生産を終えることを明らかにしました。 あわせてスープラ 3リッターモデルの一部改良も実施し、2025年春以降にグローバルで順次発売される予定です。 【画像】超カッコいい! これがトヨタ「最後のスープラ」です! 画像で見る(30枚以上)
スープラは1978年、直列4気筒エンジンを搭載する後輪駆動(FR)レイアウトをもつ当時のスポーツカー「セリカ」をベースに、直列6気筒エンジンを搭載しロングノーズのスタイリングとした「上級モデル」という位置づけで誕生しました。 ただし国内においては当初、「セリカXX(ダブルエックス)」というネーミングで登場。1981年登場の2代目からは、現在に通じるスポーツ路線を強めています。 1986年にフルモデルチェンジした3代目(A70型)からは、日本においてもグローバル共通のスープラ名に統一されました。 続く4代目(A80型)は、最高出力280psを発揮する3リッター直列6気筒ターボエンジンを頂点にした高性能モデルとして、1993年に登場。 2001年公開のハリウッド映画「ワイルド・スピード」シリーズ第一作で主人公の愛車として登場したこともあって、今もなお根強い人気を誇っています。 ただしA80スープラ自体は2002年に生産を終了しており、その後しばらくスープラの車名は消滅していました。 現行型となる5代目スープラ(A90型:GRスープラ)は、2019年にTOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデルとして17年ぶりの復活を遂げています。 その復活には、マスタードライバーの“モリゾウ”こと豊田章男 現会長の強い想いがありました。 豊田氏は、ドイツの難関サーキット「ニュルブルクリンク」での運転訓練において、生産終了した4代目スープラを使用しており、他社が同コースで新型車のプロトタイプ走行をするなかで、人知れず悔しい想いをしたといいます。 2019年の発表時、豊田氏は次のように語っています。 「スープラ復活を待ち望んでいたのは世界中の多くのファンだけでなく、私も『スープラを復活させたい』という想いを密かに持ち続けていました。 新型スープラはニュルブルクリンクで鍛えられ、生まれたクルマです。走る楽しさ以上の経験を提供できるクルマになったと、自信を持ってお伝えします」 歴代同様に直列6気筒(直列4気筒2リッター仕様もあり)とFRレイアウトという伝統の組み合わせは継承しつつ、これまでのモデルとは異なりドイツ・BMW社との共同開発で誕生しました。 トップモデルの「RZ」は、最高出力340ps・最大トルク500Nm(※2019年デビュー時)を発揮する3リッター直列6気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載。ボディサイズは全長4380mm×全幅1865mm×全高1295mm、ホイールベース2470mmです。 2社でプラットフォームやエンジンなどの基本コンポーネントを共有するほか、ともにオーストリアのマグナ・シュタイヤー社工場で生産しています。 ただしBMW版「Z4」はオープン2シータースポーツカーで、2ドアクーペのスープラとはまったく異なる成り立ちであり、スタイリング上で共通する部分も皆無です。 2社の個性を尊重しながら、完璧に造り分けられて誕生したことがわかります。 A90スープラはその後も進化を続け、2020年および2022年には一部改良モデルを発売。動力性能などをさらに高めました。