なぜサガン鳥栖は不名誉な8試合連続無得点のJワースト記録に並んでしてしまったのか?
守備陣は踏ん張っている。5試合を終えて総失点4は、リーグ全体で2番目に少ない。ただ、総得点がゼロのままでは白星を手にできない。サガン鳥栖が不名誉なゴール欠乏症にあえいでいる。 名古屋グランパスのホーム、豊田スタジアムに乗り込んだ18日の明治安田生命J1リーグ第5節。両チームともに無得点で迎えた後半17分に、途中出場のグランパスFW前田直輝に決められた先制点が最後まで重くのしかったまま、サガンは0-1で試合終了を告げるホイッスルを聞いた。 「チャンスもあったし、特に前半は自分たちのサッカーができていたんですけど。イージーミスで試合の流れをちょっともっていかれてしまったことが、やっぱり改善点として残りました」 新型コロナウイルスによる中断前に行われた開幕戦を含めて、5試合すべてで先発フル出場を続けている19歳、MF松岡大起が同じパターンが繰り返されていることに唇をかんだ。 ポジティブなパターンとして、開幕から5試合続けて前半を0-0で折り返したことがあげられる。しかし、攻撃陣が応えられない。ミスも手伝ってゴールを奪えないまま、隙を突かれて喫した失点を取り返せない悪循環。J1を戦う18クラブで、総得点がゼロなのがサガンだけになって久しい。それでも最下位ではなく16位なのは、2つのスコアレスドローで勝ち点2をもぎ取っているからだ。 サガンは昨シーズンの最後の3試合も無得点だった。サンフレッチェ広島と0-0で引き分けた前節の段階で、J1ワースト記録だった6試合連続無得点をすでに更新。そして、今シーズン3つ目の零封負けをグランパスに喫した瞬間に、2009シーズンにファジアーノ岡山がJ2で記録していたすべてのカテゴリーにおけるJリーグのワースト記録、8試合連続無得点に並んでしまった。 さらにつけ加えれば、中断前の2月16日に行われたYBCルヴァンカップのグループステージ初戦でも、サガンは0-3で北海道コンサドーレ札幌に敗れている。ここまでゴールから遠ざかっているのはなぜなのか。答えは昨シーズンから顔ぶれが大きく変わったチームの陣容にある。