なぜサガン鳥栖は不名誉な8試合連続無得点のJワースト記録に並んでしてしまったのか?
サガンを経営する、株式会社サガン・ドリームスの竹原稔代表取締役社長をして「育成型クラブへの転換」と言わしめた改革もあって、高校3年生だった昨シーズンの途中にプロ契約を結んだ松岡、今シーズンから昇格したMF本田風智とアカデミー出身のホープが開幕から先発に名前を連ねた。 しかし、改革の代償とも言うべきか。昨シーズンから継続する[4-3-3]システムの前線を担う、3トップの顔ぶれがなかなか固定されない。開幕以降の5試合ですべて異なる組み合わせのもと、豊田や昨夏に加入したチアゴ・アウベス、新外国人のレンゾ・ロペスら7人が起用されている。 中盤はアンカーを配置した逆三角形となり、3トップとともに相手のボールホルダーにプレッシャーをかける人数を多くする。しかし、複数の味方が連動してボールを奪えても「その後にミスが多くて、その分、攻守の切り替えのところでパワーを使ってしまう」と松岡は課題をあげる。 「(その繰り返しで)自分たちが後半、ちょっと疲れてきたときにどんどん歪みが出てきて、失点してしまうというか。個人としてもチームとしても、ボールを奪った後にパスを繋ぐとか、もっとマイボールにして時間をかけて攻める工夫であるとか、そういったひとつひとつのプレーをもっと丁寧に、技術の面などにもっとこだわりながら改善していかなければいけないと感じています」 中堅組がいなくなった分、昨シーズンも23試合に出場している松岡にはアンカーや、あるいはその前方に位置するインサイドハーフの一角としてチームをけん引する自覚が芽生えている。松岡と同じ2001年生まれの19歳、本田も開幕から4試合続けて先発するもすべて途中で交代し、グランパス戦では後半11分から途中出場した点を、こんな言葉とともに振り返ったことがある。 「90分間を通して試合に出ることは大事なので、その部分で自分の走力のなさを感じています」