なぜサガン鳥栖は不名誉な8試合連続無得点のJワースト記録に並んでしてしまったのか?
そろってU-19日本代表候補にも選出され、千葉市内に誕生した高円宮記念JFA夢フィールドで行われた先の短期合宿にも参加した、松岡と本田という希望が放つ輝きは試合を重ねるごとに増している。ボールは奪える。セカンドボールにも反応できる。前半も相手をゼロに抑えられる。その先をゴールに結びつける処方箋を問われた金明輝監督は、信念を込めてこう答えるしかなかった。 「前半に何度か見せられたような形を、しっかりと(後半も)狙っていければ。継続してやっていくしかないと思っています」 ホームの駅前不動産スタジアムにエスパルスを迎える22日の次節が、息つく間もなく中3日で訪れる。開幕5連敗で最下位に沈むエスパルスはJ1ワーストの12失点。連続無得点記録という呪縛を振りほどき、初勝利を目指すなかで途中出場したグランパス戦で後半19分、同38分と立て続けにイエローカードをもらい、退場処分を科されたチアゴ・アウベスを出場停止処分で欠く。 「選手一人ひとりはゴールを取る、という意欲にあふれていますし、そこにネガティブな要素はまったくありません。次の試合では点を取らないといけないですし、そのためには一人ひとりがやるべきことを、チームが勝つために与えられた役割をまっとうすることが一番だと思っています」 苦境を脱するための特効薬はない、とばかりに松岡は前を向く。激しく、そして愚直に戦い続けた先に、J1通算100ゴールにあと2と迫っている豊田を中心とする前線が結果を出してくれると、そして巻き返しへ向けた光りが差し込んでくると信じて、エスパルス戦へ向けて心技体を高めていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)