ドライクリーニングと水洗いの違いって? 今さら聞けない「洗濯のコツ」を専門家が解説
8. 柔軟剤は一概に悪とは言えない
柔軟剤には生地を柔らかくしてくれる効果があるけれど、果たして体に悪くないの? 「洗剤はすすいで落とすものだけれど、柔軟剤は生地に残すものなので濃度的に多少は生地に薬剤が残ってしまいます。昔の柔軟剤は毒性のある成分がたくさん入っていましたが、今はそこまで気にしなくても大丈夫。アトピーや化学物質過敏症など、皮膚の弱い人は避けたほうがいいですが、普通の皮膚の人ならアレルギー反応は出ないと思います。むしろ、静電気のほうが体に害。柔軟剤には静電気を抑える効果があるので、静電気が気になる人は使ったほうがよいですね。特に化繊の場合は生地を柔らかくしてくれるので柔軟剤が効果的です。このように一概に柔軟剤が悪いとは言えないので、過剰に入れさえしなければ、体質や洗うものによって使い分けるとよいと思います」
9. 柔軟剤で気を付けたいのは、むしろ香り
むしろ合成香料のほうが怖いと語る永井さん。「アロマオイルなどの天然の香料ならいいけれど、合成的香料は非常に危険。長時間香り続ける合成香料や消臭成分の気体は、鼻から直接肺に入ってしまうので健康へのダメージに関しては圧倒的にハイリスク。また香料成分が洗濯槽にこびりついてしまうので、カビの繁殖の原因にも」 柔軟剤はあくまで静電気を抑え生地を柔らかくするものであって、香りを長時間キープするものではないと心得て。
10. 柔軟剤が苦手な人は酢を入れるべし
それでも柔軟剤を入れるのに抵抗がある人は、ぜひ試してほしいのが酢を入れる方法。 「2回目のすすぎのときに、クエン酸や酢酸(食用酢)をスプーン一杯(約5cc)入れることでアルカリ性が中和されます。石けんと一緒に使うと、脂肪酸ナトリウムを油化して衣類を油膜で覆い、乾いたときにも薄い油膜が残るので柔軟効果が続きます。酢の匂いは乾くと飛んでしまうので気にしなくても大丈夫。食用酢でなくても、リンス剤や中和剤という名前で売っているものもあります。アトピーや肌の弱い人、赤ちゃんがいる家庭は、ぜひ試してみてください」