ドライクリーニングと水洗いの違いって? 今さら聞けない「洗濯のコツ」を専門家が解説
6. 水洗い可能な服が増えている
節約意識やエコの意識が高まっている今、実は水洗い可能な服が近年どんどん増えている。今までなら迷わずドライクリーニングに出していたインポートの洋服も、実は水洗いできるものが多いのだ。 「2016年12月から、国際的な共通表示である新JISマークに変更になったので、マークさえ覚えれば、インポートの洋服の手入れがしやすくなりました。新しく登場したのが、ウェットクリーニングマーク。このマークがついていたら、水洗いクリーニングが可能なので、安易にドライクリーニングを選ぶのではなく、専門のクリーニング店でプロによる水洗いを試してみてください。ドライに比べて水洗いは、大変にはなるけれど落とせない汚れは基本的にありません。出来上がりを比べてみると、カサカサになってしまうドライに比べて水洗いのツヤ感は全然違いますし、さっぱり感もすごい。ぜひ違いを比べてみてほしいですね」 ちなみに、水を嫌い、縮みやすいとされるウールやシルクなどの動物性繊維のなかでも、カシミアは水に強く縮みにくい傾向が。また、シルクは着なくても経年劣化で黄ばんできます。定期的にプロによる水洗いを施すのが得策。 ※ウェットクリーニングマークは、アンダーバー数が多いほど弱い操作を示す。2本線は“非常に弱い操作のウエットクリーニングができる”という意味。
7. 白さを求めるなら、液体よりも粉洗剤
スーパーやドラッグストアで洗剤を買うとき、ただ漠然と選んでいる人も多いのでは? 実は同じブランドの粉洗剤と液体洗剤でもその効果は異なるそう。 「粉洗剤はアルカリ性で、液体洗剤は中性。アルカリ性は皮脂や食べこぼしなどのたんぱく質系の汚れを落とすのに効果的で、しかも量を入れれば入れるほど洗浄力がアップします。ただし、その分しっかりとすすがないと、生地に洗剤が残ってしまい肌に悪影響を及ぼしてしまう可能性も。また粉砕するコストがかかるので、価格も割高になってしまいます。 一方、中性の液体洗剤は、洗浄力は粉洗剤に劣るものの、衣類にやさしいという特徴が。水に溶けやすいうえ、すすぎも少なくて済み、洗濯事故も少ないというメリットも。ただし、洗剤を水に浸透させ、乳化させる働きをもつ合成界面活性剤が大量に入っているので、その毒性が体に悪影響を及ぼしたり、下水処理でも分解・除去ができないので環境破壊にもつながってしまいます。また、液体洗剤はどんなにたくさん入れても、洗浄力は一定で変わりません。 ちなみに洗剤は合成界面活性剤ですが、石けんは脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどを使用した天然界面活性剤。アレルギーの人や赤ちゃんの洗濯には、洗剤よりも石けんを選んだほうが安心です」