ドライクリーニングと水洗いの違いって? 今さら聞けない「洗濯のコツ」を専門家が解説
3. 水洗い洗濯でいちばん大切なのは“すすぎ”
「そもそも、洗濯の仕方自体が間違っている人が本当に多いんです」と語る永井さん。特に気を付けたいのが洗濯機に入れる洋服の量。 「パンパンに入れてしまっては、汚れが十分に落とせません。入れる量はドラム容量の7~8割まで。洗剤は入れすぎても少なすぎてもダメで、表示分量を投入してください。そして実は、いちばん大切なのがすすぎ。洗剤が生地に残ったままだと、ごわつきの原因になってしまいます。すすぎは最低2回以上。1回目のすすぎは、繊維に洗剤が残っていて、もう一回洗っているようなもの。2回目が本当の意味でのすすぎ。真水で洗剤をしっかりと落としてください。全自動のお急ぎコースや節約コースだとすすぎが1回の場合もあるので、よく確認して使ってください」
4. ヨーロッパではお湯洗いが主流
日本では水で洗うのが当たり前だが、ヨーロッパの洗濯機はほとんどがお湯洗い対応。それはなぜ? 「ヨーロッパは硬水が多いからです。硬水は汚れ落ちが悪く、そのため温度を上げて洗浄力を高める必要があります。逆に日本は軟水なので、水の温度を上げる必要がないのです。一般に、皮脂などのたんぱく汚れは、体温以上の温度のほうが落ちやすいです。ベストは40℃くらいのぬるま湯。海外では熱湯で洗う洗濯機もありますが、50℃以上になると洗浄力が上がっても生地が縮んだり色落ちしたり、シワになりやすいなど生地にダメージを与えてしまうので避けてください。おすすめは、お風呂の残り湯に洗剤を加え、たんぱく汚れが気になる下着や靴下を付け置きする方法。一晩つけておいてから洗濯機に入れるだけで驚くほどきれいになり、黄ばみや匂いの心配がなくなりますよ」
5. 水溶性の汚れは、ドライクリーニングでは落ちない
ドライクリーニングで使っている石油系有機溶剤は、水と相反するものなので混ざり合うことはありません。そのため、油性の汚れはするっと落ちても、汗ジミや食べこぼしといった水溶性の汚れをドライクリーニングだけで落とすのは不可能。 「通常クリーニング店では、ドライクリーニングをする前に、前処理や特殊なシミ抜き処理を施したり、ウェットクリーニングといった特殊な方法で洗うなど、汚れを落とすためにさまざまな対処を行っています。汚れやシミがついている場合は、必ずクリーニングに出す際に事前に相談すること。料金だけでなく、汚れに真摯に対応してくれる信頼のおけるクリーニング店を選ぶことが大切です」