のどの不調は「体から発せられた悲鳴」 乱れた自律神経の整え方
肩コリや首の痛みがある。のどがイガイガする。腰痛がひどい...。体の不調は、心や考え方にまで影響を及ぼします。ここでは、つらい体の部分にダイレクトにアプローチする即効性のあるセルフケアを鍼灸師の大沼竜也氏が紹介します。 【イラストで解説】疲れにくい体を作るひねり運動 ※本稿は、大沼竜也著『心と体のコリをほぐすセルフリセット』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。
首や肩の不調は全身の不調につながる
首や肩のコリ、それは鍼灸師や整体師にとって避けて通れない症状です。それだけ悩んでいるクライアントが多く、本人は気がついていなくても、首や肩の不調から他の不調につながっていることもあるのです。 例えば、頭痛や顎関節症、背中のコリや腰痛まで、体は全身でバランスを取るようにできているので、首や肩が狂うだけでさまざまな場所に影響を及ぼします。特に私はクライアントの心理状態まで扱うため、臨床では首肩とメンタルは密接に関係していると感じて、注視するようにしています。 ひと言に首肩コリといっても、その内情は人によりさまざまです。多い首肩コリの原因は、肩が内巻きになって、胸が閉じて、首が前のほうにつんのめってくるように猫背っぽくなる姿勢です。デスクワークに従事する方や、性格が内向的な方に多いように感じます。 生まれながらの性格からこういった体のクセが現れるのか、姿勢から性格に影響を及ぼすのか、明らかにはなっていませんが、両方ある気がしています。 この姿勢の大きな特徴として、前側(胸の意識)が弱く、後ろ側(首や背中側)の意識が強いため、後ろ側で引っ張り上げて姿勢を保つようになるのです。常に首や肩付近に力が入っているとなれば、苦しくなるのも当然です。血流は悪くなり、疲労は抜けず、満足な動きができないため、脳への負担も大きくなります。 こうした悩みへの処方箋はシンプルで、苦しいポイントの反対側を伸ばすこと。 体の前側である胸の意識を高めて、体の後面も前面も、均等に意識できれば、自ずと体もスッと起きた状態を保てます。重力に逆らわず、倣うことができれば、首肩コリの改善はそこまで難しいものではありません。早速やってみましょう。