独り言は脳に良い?悪い? 脳科学者が解説する意外な効果
独り言がもたらす4つの効果
私たちが普段、意識せずに口にしている独り言には、たくさんの効果があります。 ①「自己効力感」が高まる 「これが終わったら、次はあれをやって......」など、行動する前に予定をつぶやくと思考が整理され、その後の行動がスムーズになります。予定通りに動けると達成感を得られ、「自分ならできる」という「自己効力感」が高まります。それが自信につながるのです。 ②理想が現実になる 日頃から口に出している夢や理想は、叶いやすいと言われています。心理学用語で「自己成就予言」の法則と言いますが、これは、目標が音声で脳に届くことで行動が変わるから。人にはあまり話せないような夢も、独り言として言葉にすることで、実現に近づきます。 ③問題が明確化する 漠然とした不安や悩みがあるときに、「何が変わればいいのかな」などと、ひとりでつぶやいていると、悩みの原因が少しずつ明確になっていくものです。原因となっている問題がわかれば解決方法も見つかりやすくなり、心がスッキリします。 ④バイアスを矯正する 脳には、経験による思い込みによって、無意識のうちに自分に都合のいい情報ばかりを取り込んでしまう癖があります。「あれ?」「ほんとに?」などと、声に出して疑問を脳に届けることで、脳が情報の偏りに気づき、思い込みが矯正されます。
独り言の効果を高めるために
脳には「変化するものに着目する」という性質があります。そのため、独り言の効果を高めるためには、毎回できるだけ違う言葉をつぶやくことがポイントです。 最近は、何でも「ヤバい」と言う人がいます。しかし、ボキャブラリーを増やして、いろいろな言葉で表現するほうが、脳は独り言をキャッチしやすくなります。 また、読書をするときに音読すると、バイアスを矯正する効果が高まります。本に書いてあることをそのまま読むのと合わせて、「この文章は何を伝えたいのかな?」「この考え方はおもしろい」などと独り言をブツブツつぶやいてみましょう。思考が整理されて記憶にも残りやすくなり、視野が広がります。