登校しぶりの長男と脳性まひの二男のケアのため、夫婦ともに仕事を辞めることに。向き合い続けた「仕事と育児の両立」のむずかしさ【体験談】
家族旅行の様子
また、現在は康介くんの症状が比較的落ち着いているため、家族でこれまでできなかったことに挑戦していると晋也さんは言います。 「康介は、最初は人工呼吸器をつけておらず、酸素投与だけでした。そのころはよく具合が悪くなり、つねにケアが必要だったり頻繁に病院に行ったりしていました。現在は人工呼吸器や加湿器といった医療的ケアのデバイスは増えたんですが、そのぶん康介の体調のいい状態を保てるようにもなって、病院に行く頻度も減りました。なので、ちょっと外出を増やしたり宿泊してみたり、これまでできなかったことに挑戦しています。 最近では、マザー牧場や千葉動物園、ディズニーランドにも行きました!宿泊の場合は酸素の機械の準備もありますし、医療機器の充電がもつ時間を考えたり、病院の近くのホテルという制限もあったりしますが、泊まりでの旅行にも挑戦してみました。 兄の春人も、小さいころはそういった場所に全然連れて行ってあげられなかった。両親が病院のつき添いで家を留守にしがちで、祖父母に面倒を見てもらっていたので、ずっと寂(さみ)しい思いをさせてしまっていたなと申し訳なく思います。そのぶん、今すごく楽しそうにしていて、私もうれしいです」(晋也さん) お話・写真提供/三村晋也さん 取材・文/安田萌、たまひよONLINE編集部 息子たちのために仕事を辞める決断をした三村さん夫婦ですが、現在は春人くんも康介くんも楽しく小学校に通っていると言います。また、晋也さんは自身の経験をもとに、障害や不登校など課題を抱える子どもたちとその家族がともに暮らしやすい社会をめざして「フリースクールオリコス」を立ち上げました。 インタビューの後編では、フリースクールを立ち上げた経緯や活動への思いについてお話を聞きました。 「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。
【関連記事】
- ▶【後編】登校しぶり、医療的ケア、息子たちのケアで仕事を続けられなくなった夫婦。「居場所を作りたい」フリースクールを立ち上げた父…
- ▶弟の心臓病がわかった時、自分の子ども時代も終わった「きょうだい」の思い
- ▶生後7カ月の息子に白血病の診断が…「ここ数日が山場」と告げられ、ほんの少しも想像していなかった。ひどい夜泣きと脚のむくみで気づいたわが子の異変【体験談・小児科医監修】
- ▶長期入院で動けなかった子が、ファシリティドッグに出会い「病院にいる犬」と子どもたち
- ▶息子が1万5000人に1人の難病と判明。諦めなかった両親の1年10カ月の思いと溢れるきょうだいの笑顔…難病のわが子と生きていく家族のカタチ【体験談】