登校しぶりの長男と脳性まひの二男のケアのため、夫婦ともに仕事を辞めることに。向き合い続けた「仕事と育児の両立」のむずかしさ【体験談】
現在きょうだいは一緒の小学校へ。家族旅行にも挑戦!
現在、兄の春人くんは小学3年生、弟の康介くんは小学1年生。同じ小学校に通っています。春人くんは今では晃子さんのつき添いがなくても学校に通うことができるようになったそう。 「春人が小学3年生になった年の5月ごろに私が体調を崩してしまい…。学校に一緒に行くことができなくなりました。そのとき春人が『じゃあ、ちょっと1人で行ってみる!』と。突然1人で登校できるようになったんです。 とくに具体的な解決策があったわけではありませんが、学年が進んで担任の先生や友だちとうまく関係を築けるようになり、居場所ができたことが大きかったと思います。今では、休み時間に友だちと外で遊ぶのが楽しいと言っています。 弟の康介も、兄と一緒の公立小学校に通っています。担任の先生や補助の先生方、さらに看護師さんが2人いらっしゃり、食事やおむつ替えなどもすべてお任せしています。学校ではとても手厚いサポートをしていただいており、恵まれた環境で過ごせていると感じています。 春人は、特別に面倒見がいいわけではありませんが(笑)、弟の手をやさしくつないで話しかけたり、ぬいぐるみをそっと近くに置いてぬいぐるみを使って話しかけたりしています。彼なりのかわいらしいコミュニケーションの取り方が微笑ましいです。 春人と一緒に学校に通った約1年3カ月は、私にとっても転機でもありました。それまでの生活は、家の中にこもりきりで、弟の康介につきっきりでケアしたり病院へ行ったりする日々でした。何かあったらどうしようと、つねに緊張していたと思います。 それが兄の春人と学校に一緒に行くことで、外の世界とつながることができた。それまで春人にはなかなか時間を使ってあげられなかったですが、一緒にいられる時間ができた。 本当なら息子のことをもっと心配すべきだと思うんですが、先生や春人の友だちと話すことで私自身も心身のリフレッシュができていたように思います」(晃子さん)
【関連記事】
- ▶【後編】登校しぶり、医療的ケア、息子たちのケアで仕事を続けられなくなった夫婦。「居場所を作りたい」フリースクールを立ち上げた父…
- ▶弟の心臓病がわかった時、自分の子ども時代も終わった「きょうだい」の思い
- ▶生後7カ月の息子に白血病の診断が…「ここ数日が山場」と告げられ、ほんの少しも想像していなかった。ひどい夜泣きと脚のむくみで気づいたわが子の異変【体験談・小児科医監修】
- ▶長期入院で動けなかった子が、ファシリティドッグに出会い「病院にいる犬」と子どもたち
- ▶息子が1万5000人に1人の難病と判明。諦めなかった両親の1年10カ月の思いと溢れるきょうだいの笑顔…難病のわが子と生きていく家族のカタチ【体験談】