「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見(全文4完)試料はまず初期分析の合同チームで分析
あしたの運用の験担ぎは?
荒舩:フリーライターの荒舩です。よろしくお願いします。あしたの運用に当たりまして験担ぎみたいなことをやるんでしょうか。やるんだったらなんかやるのかなっていうのと、あとどういうふうな気持ちであしたの運用には臨むおつもりなのかということを津田さんにお伺いしたいです。 津田:験担ぎですね。験担ぎはまず管制室に大きなだるまがありますんで、それちょっとまず目をまったく入れてないので、まず、運用前に目を入れてうまくいけばもう1つの目にも色を入れたいなというふうに思います。あと普段クリティカル運用のときには、よく豚カツを食べるとかいうことをやってたんですが、ちょっと今回は時間が悪くて、絶え間なく運用をやってて、そういう時間があるかどうかはちょっと検討中です。 荒舩:分かりました。あとカプセル回収のところなんですけども、カプセル回収は夜中にヘリコプターで場所までは特定するけれども、回収は夜が明けてからだっていうことなんですけども、早く回収するんだったら夜中のうちに回収してもいいんじゃないかとばっか思ってしまうんですが、夜が明けてからにするのっていうのはこれは安全を考慮したことなんでしょうか。 國中:はい。そのとおりです。われわれ日本人が考えている、普段見ている状況とはまったく違う非常に荒野、広大なところで、道路もほとんど走っておりませんので、それから夜中はもう野生生物がうようよいるようなところで、日本人のわれわれの常識的な感覚とはまったく違うところなので、夜中の移動は大変危険です。 荒舩:分かりました。どうもありがとうございます。 司会1:ありがとうございました。では一番前の奥からお2人目ですね。お願いいたします。
最終的に分離GOを出す条件は
共同通信:共同通信の須江と申します。ちょっと細かい点でカプセル分離の運用の関係で確認をさせていただきたいんですけれども、時間が14時半で当日の運用で前後するかもというお話なので、これはつまり地上からいわゆる信号を送って分離をするのかということと、最終的にその分離のGOを出すのは、きちんとした機体が姿勢を取れているかどうか、どういった点が最終チェックポイントで分離のGOを出すのかというのを、ちょっと確認をさせていただければと思います。 津田:まず、カプセルの分離自身は、これ、リアルタイムで、今分離っていってボタンを押したら分離されるものではありません。だけど、何時何分に分離しなさいというコマンドを打ちます。で、そのコマンドを打つのは1日前とか、2日前にセットしているわけではなくて、当日、状況判断をしながら実行していくということで、リアルタイムと事前に入れるものの中間的な感じですかね。だから、1時間後とか30分後、あるいは短いときで10分、15分後に起こることを時刻でセットしながらやっていくという形です。で、カプセル分離そのものは、実は何段階にもチェックポイントがあって、それを1個1個こなすことで行われます。例えば、今日お示ししたもので言うと、姿勢が正しい姿勢に入ったかどうか、入らない限り分離には進みません。 で、分離っていうのも、実はそのカプセルはアンビリカルっていうケーブルで探査機の電気系統とつながっていて、で、カプセルの中の状況は探査機からの信号で今分かる状況になっています。だけど、最後、切り離すときには、その電線を切んなきゃいけないんですね。だから、まず、そういうアンビリカル、電線を切って、で、それから分離機構を解除して、切り離すっていうようなことをやるんで、それ、例えば順番が逆になっちゃうと分離機構は切り離したのに電線が張ったまま分離してしまうことになっちゃうんで、正しく分離できません。で、こういうことが起きないように、電線は切れたという確認をしてから次にいくということもやります。こういう、いろんなたくさんの段階があって、そのたびにGO/NO GO判断というのをやって、GOがかかれば次に進んでいくという運用になります。