「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見(全文4完)試料はまず初期分析の合同チームで分析
津田プロマネからも一言
読売新聞:ありがとうございます。今の國中所長の言葉を受けて津田プロマネから一言お願いします。 津田:まさにそういう究極な判断が迫られたときにきちんと精査されて、あるいはチームの中、あるいは外であってもJAXAの組織内、外も必要であれば巻き込んで正しい判断ができる。正しい判断っていうのは挑戦するところは挑戦する、守るべきところは守るっていうことができる、そういうことができることが重要だと思っていて、あの場面は私も非常に苦しかったんですけれども、全体として見たら「はやぶさ2」というプロジェクトはというよりは宇宙科学研究所は、あるいはJAXAはいい判断をするゴールにたどり着けたのかなというふうに思っていますので、ありがとうございます。
資料分析を行う研究機関の数は
読売新聞:すいません。もう1点だけ。試料分析についてなんですけれども、今後カプセルが帰ってきて初期分析が始まるかと思うんですが、これは6つのチームに分かれて分析が始まるということなんですけれども、だいたいどのぐらいの日本全国の大学ですとか研究機関が関わることになるんでしょうか。 國中:基本的にはまずグループをつくった上で初期分析という合同チームによって分析を行います。それで初期の成果をいったいどういうものであるかという概要をレポートしたあとは研究提案を募って価値の高いと思われる研究者に粒子を配って分析してもらうという、AOという方式、提案方式で分析が進められていきます。それは非常にたくさんサンプルを持って帰ってきたならば皆さんにお配りしたいんですけれども、おそらくほんの少ししかないでしょうから、研究提案を厳選して有望な研究提案に物質をお渡しして研究者に委ねるという、そういった方式になります。 そういった方式ですぐさまここ数年で全ての粒子を消費してしまうのではなくて、40%だったか50%は未来に向けて保存するという活動を行います。その理由は何年かすれば今現在、手元にある分析装置よりももっと高精度なものができることは間違いありませんし、ですから未来の分析技術に託すということのためにキュレーション、保管作業というのを実施してまいります。同じように「はやぶさ1」で採ってきたサンプルにつきましても全てを消費しているのではなくて、未来に向かってサンプルのかなりの部分を温存しています。そういった計画になっております。 読売新聞:ありがとうございました。 司会1:ありがとうございました。では続きまして、一番前のセーターの方お願いいたします。