「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文2)エンジニアリング冥利に尽きる
惑星間往復飛行の扉をくぐり抜けた
津田:ただ今、「はやぶさ2」は帰ってきました。6年間の宇宙飛行を今、終えて、今朝オーストラリア、ウーメラの地に私たちは玉手箱を舞い下ろすことができました。「はやぶさ2」は完全な状態で帰ってきております。もう「はやぶさ2」のカプセルですね。カプセルは完全な状態、それから探査機も完全な状態で次の旅へと進んでおります。 これが、完全にサンプルリターンができたということで、ほかの惑星に行って、それから帰ってくる、そういう惑星間往復飛行の扉を「はやぶさ1」が開きましたけれども、私たちは、それは完全に「はやぶさ2」でその扉をくぐり抜けたということになります。 この数週間、約1カ月ほど、リエントリ運用ということで、宇宙、それから地上パートはオーストラリアに回収隊が渡って、共同してやってきましたが、今、もうすでに今、宇宙パートはパーフェクトです。それから地上パート、オーストラリアにいる回収隊、これもこれまでのところは完璧な進行です。これからすでに回収したカプセルを日本に持って帰るということがまだ残っていますし、何よりも中を開けるということがとても楽しみです。 私自身からも、この大きな成果を実現するに当たって力を結集していただいた、まず国内外の宇宙機関関係者、それから大学の関係者、科学者の皆さま、それから豪州政府の皆さま、それから文部科学省、日本国政府の各機関、それから運用のサポートをいただいたNASA、こういう方々、ほかにもたくさんいらっしゃいます。こういうたくさんの方々に感謝いたしたいと思います。 それからリエントリのイベント、たくさんの方に見ていただきました。日本でも、それから世界中でもたくさん見ていただいて、応援もいただきました。これは何よりのわれわれの力になりました。本当にありがたく思っています。
カプセル回収隊側の状況
あともう1つ、この場で少しおかしいかもしれませんが、チームのメンバー、たくさんのチームのメンバーがこの「はやぶさ2」に加わってこれまでやってきましたが、本当に良くやったというふうに思います。たくさんのチームのメンバー、国内外、国際的なチームメンバー、みんなに私からも感謝申し上げたいと思います。 ここから先は資料を用意いたしましたので、それに基づいて説明いたしたいと思います。途中、回収隊側の状況のご説明もありますので、現地にいるサブプロジェクトマネージャ中澤のほうと分担しながらご説明したいと思います。画面、出ますでしょうか。 まずこのページは総まとめの、総括を先に述べさせていただいております。「はやぶさ2」のカプセル分離運用としては、再突入カプセル分離運用が予定どおり実行することができまして、再突入カプセル、パラシュート、ヒートシールド、全てすでに回収されております。それから探査機は地球圏離脱運用に成功して、地球を離れる軌道に乗りました。また、サイエンス機器による観測を開始しております。 探査機側の、この2日間ほどでやってきた運用を、表にまとめたのがこの資料になってございます。この運用をやるに当たって、まずCRSO、豪州帰還安全担当官の方から、カプセル分離のあと行うTCM-5の実行許可を得るというのを昨日、日本時間11時40分に取得しております。そのあとカプセル分離を14時30分、行いました。これはすぐ分離成功が確認されました。 そのあとTCM-5という地球圏離脱の軌道修正を3回に分けて行っております。15時30分、16時、16時30分ですね。これが全て予定どおりいきましたので、ここで探査機は地球離脱軌道に乗ったということになります。 探査機はそのあと予定どおりの時刻に、日陰に入っております。34分後ですかね、日陰から出るということで、この間に近地点、最接近距離、高度約350キロメートルを無事通過しております。そのあと地球近傍では、地上局がスイッチする、一時ない関係で、リンクがなかったんですけれども、そのあと通信再開したのが3時15分、2万キロメートル、1.9万キロメートルということで、ここから先、地球圏を離脱していく運用が開始したということになります。その間、カプセル分離側、これ、中澤さんお願いできますでしょうか。