人生の最期「病院か在宅医療か」正解がわかった…!慣れ親しんだ家こそ「理想的な逝き場所」といえる理由
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。 【マンガを読む】オペ室看護師が見た、衝撃の「生死の現場」 〈第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識〉、〈第2部 今日から始める生前準備のすべて〉、〈第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える〉の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 『高齢者を食い物にする《あぶない片付け業者》を見抜く10の方法…「すぐ家に来たがる」「なんでも回収する」この言動が危険です』より続く 家族と過ごせる、後悔が残らない、症状も和らぐ 「最期は家で」は理想の逝き方です
自宅で最期を迎えるという選択肢
節目節目で下した決断の積み重ねで成り立っているのが人生。その終盤において下さなければならない大きな決断がある。それは、病院や施設で最期を迎えるか、それとも、慣れ親しんだ家で最期を迎えるか、だ。 8割近くの人が病院・施設で亡くなる「病院死大国ニッポン」では、自宅で最後を迎えるという選択肢そのものが見えづらくなっている。しかし、「最後は家で」こそ、理想的な逝き方なのだ。 「慣れ親しんだ家で天寿を全うした父は、本当に幸せそうでした」 埼玉県朝霞市に住む尾崎誠さん(59歳・仮名)は、今年の夏、88歳の父を看取った。築50年の2階建ての家で二世帯同居。肝臓がんを患い、すっかり体力が落ちていた父は階段の上り下りもできず、軽い認知症もあったが、「絶対に病院には行きたくない。自宅で最後の時を迎えたい」と言って聞かなかった。
人生最後の喜び
結局、誠さん夫妻は父を自宅で介護することを決めた。 「酒好きの父は、一日の終わりにコップ一杯の焼酎お湯割りを飲むのを楽しみにしていました。特に、体がほとんど動かなくなってからは、お酒を飲むことが何よりの楽しみだった。入院してしまえば、お酒は飲めなくなります。人生最後の喜びを奪ってしまっては、さらに元気がなくなると思い、妻と相談して自宅で看ることにしたのです。 かかりつけのお医者さんも、笑いながら『我慢をするより、お父さんの健康にも良いでしょう。一杯だけならかまいませんよ』と理解を示してくれて、父も喜んでいましたね」 晩酌の時間は決まって夜の8時。大好きな野球中継を観ながら30分ぐらいかけてちびちびと焼酎を飲み、気づいたら、眠りに落ちている。 試合が盛り上がったときには、少し夜更かしをすることもあった。 「私もこの時間に、父の酒に付き合うようにしました。試合の合間に父が家族の昔話をしてくれた。妻もときどき付き合って、『そんなことがあったの』と一緒に楽しんでいましたね。濃密で貴重な時間でした」