なぜ阪神は西の完封&佐藤の1号2ランの“連敗ストップあるある“の模範試合でトンネル脱出に成功したのか
阪神が5日、甲子園の横浜DeNA戦に4-0で完封勝利して開幕連敗を9でストップした。西勇輝(31)が7安打完封。1回には4番の佐藤輝明(23)の今季1号となる2ランなどで3点を奪う連敗ストップの“教科書“のような展開で今季初勝利をあげた。佐藤はお立ち台で「ここから巻き返す」と宣言した。
照明がLED化された甲子園が美しい演出
まるでコンサートだ。場内が暗転し、756台のすべてがLED化された甲子園の照明が派手なビジョンに変化して、タイガースマークなどを映し出しカウントダウン映像と共に連敗ストップのヒーローの佐藤と西の2人がベンチから飛び出してきた。ファンは、スマホをまるでペンライトのように揺らして2人のヒーローインタビューを祝福した。 「最高です」 1回に今季1号となる2ランを放った佐藤がそう笑顔で声を張れば、西は落ち着いた口調で「僕は(東京での巨人戦の)遠征にいってないんで、連敗とか気にせずに普段通りにマウンドに上がれました」と118球の完封劇を語り始めた。 東京ドームでは笑顔の消えていた矢野監督の表情にもようやく生気が戻った。 「苦しいスタートになったんでね。この1勝で喜んでいいのかなという気持ちと、でも素直に喜びたいなという…気持ちです」 複雑な心境を吐露した。 一昨年まで阪神のコーチを7年務めた高代延博氏や、巨人、楽天、西武などでヘッド格のコーチを務めた新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏ら専門家は口を揃えて連敗脱出のパターンを「エースの完封勝利と立ち上がりの打線爆発の大量先取点」と提言。「本拠地甲子園での心機一転」とも付け加えていた。いわゆる“連敗ストップあるある“である。 これまでの阪神の開幕連敗ワースト記録だった1995年の5連敗がストップしたのも先発の藪恵壹の完封勝利。打線も4番の新外国人グレン・デービスが2発を放つなど爆発して7-0で勝利している。 なぜ阪神は連敗ストップの模範試合を演じることができたのか。