なぜギャンブルスタート?阪神がベンチの采配ミスで9回のチャンスを逃して泥沼8連敗
阪神が2日、東京ドームで行われた巨人戦に4-5で惜敗、開幕から泥沼の8連敗となった。セ・リーグでは1979年のヤクルト(1分けを挟む)に並ぶワーストタイ記録。9回には糸井嘉男のタイムリーで1点差に迫り、なお一死二、三塁の逆転機を作ったが、佐藤輝明のショートへのハーフライナーで「ギャンブルスタート」していた三塁走者の近本光司が戻れずに痛恨の併殺でゲームセットとなった。
「こっちの責任で近本は悪くない」
東京ドームにG党の歓声と虎党の悲鳴が交錯した。9回一死二、三塁。佐藤のどんつまりのライナーと小フライの間のような打球が前進守備を敷いていた坂本のグラブにおさまり、すぐさまクイックスローで三塁へ転送。「ギャンブルスタート」を切っていた近本は頭からベースに戻ったが間に合わなかった。同点、逆転のチャンスが、一瞬にして消えてのゲームセット。 佐藤は両手でヘルメットを抱えて呆然。三塁ベースに滑り込んだ近本は、しばらく立ち上がることができなかった。連敗チームと連勝チームの勢いの差が、残酷なコントラストを描いた。 「不運」では済まされないミスがあった。関西のスポーツ紙の報道によると、試合後の代表取材に対して矢野監督は、近本の走塁ミスは「ギャンブルスタート」のサインだったことを明かし「こっちの責任で近本は悪くない」とコメントしたという。ハッキリ書こう。采配ミスだ。 監督経験者も含む複数の実績のある球界OBに見解を聞いたところ、「1点差の二、三塁でバッターが4番。このシチュエーションでギャンブルスタートのサインはあり得ない。クリーンナップはライナー性の打球を打つ確率が高いのだからリスクしかない。ゴロゴーでいい。打球が前進守備の間を抜ければ2人が還って逆転できるわけだから」という意見で一致していた。 巨人の“新守護神”大勢には明らかに連投の疲れが見えていた。フォームバランスが崩れて制球が定まらず、ロハスJr、近本が連続四球を選び、中野がバントを決めて糸井のタイムリーで1点差に迫った。代走に江越を送り、なお一死一、三塁で打席に4番の佐藤が入った。