菜七子を超えろ!なぜ彼女らはジョッキーの道を選んだのか…3月にJRAで5年ぶりに女性騎手2人が同時デビュー
日本中央競馬会(JRA)に2人の女性ジョッキーが誕生した。古川奈穂(20=矢作厩舎)と、永島まなみ(18=高橋康之厩舎)の2人が2021年度の中央競馬新規騎手免許試験に合格。3月6日の初陣を心待ちにしている。JRAに3人以上の女性騎手が在籍するのは2001年以来、実に20年ぶり。彼女らは、なぜ騎手の道を選んだのか。目指すは、通算128勝と活躍している藤田菜七子(23=根本厩舎)超えだ。
「女性でも騎手になれるんだ!」
競馬の世界での節目となる3月に古川奈穂、永島まなみの2人の女性騎手がデビュー戦を迎える。女性騎手の誕生は、”菜七子フィーバー”を巻き起こし、2019年にはJRA所属の女性騎手として初めてJRA重賞を制覇するなど、いまや第一人者として活躍する藤田菜七子以来、5年ぶりとなる。 2人の背中を後押ししたのは菜七子の存在だった。 「藤田さんの活躍している姿を見て、女性でもなれるんだと思った。いまでは女性、男性関係なく活躍されていて凄いと思う」と古川。 永島も「藤田さんの存在を知り、より騎手になりたい思いが高まった」と話す。 古川は東京都出身。騎手の道を目指す人の多くは、身内に競馬関係者がいるなど、なんらかの縁があるものだが、彼女は、医師の家庭で育った。動物好きの少女は、やがて馬が好きになり、それが高じて競馬に興味を持った。 「小学校6年生のとき、ゴールドシップが勝った有馬記念(2012年)をテレビで観て感動したのがきっかけです。それからはG1があると東京、中山に連れて行ってもらいました。好きな馬はエイシンフラッシュでした」と振り返る。 エイシンフラッシュは2010年のダービー馬だ。 進学校に進んだものの、夢は彼女の心の中でくすぶり続けていたようで「高1のとき、自分が好きなものを問い直し、ヨッシ!と決心した」と明かす。 競馬学校1年目には左肩を痛め手術。しかし、気持ちが萎えることはなかった。 「ジョッキーを続けるなら手術した方がいいとのことでした。1年留年しましたが、手術して良かったと思います」