球界大御所が「ヤクルト日本一」で出てきたセパ格差の解消論をぶった斬る…「それ以前のレベルだ」
広岡氏は、その上でクライマックスシリーズ撤廃論を改めて主張した。 「セパの優勝チーム同士が日本シリーズを戦ったことは評価しなければならないが、両チーム共にクライマックスシリーズでは一つも負けなかった。特にセに言えることだが、レギュラーシーズンで、いかに巨人、阪神など他球団がつまらなかったかを示す結果だ。クライマックスシリーズが導入されて15年になるが、もうそろそろやめていいだろう。メジャーリーグはポストシーズンの野球が重要で、ファンも注目しているが、そもそも球団数も試合数も違っており、それを日本に当てはめたことがナンセンス。ペナントレース優勝の価値が軽くなる」 今季のレギュラーシーズンは、セパ共に最後の最後まで優勝の行方のわからない激戦が続き、消化試合のない内容の濃いペナントレースになっていた。だが、2位の阪神をCSファーストステージで破った3位の巨人は勝率5割を切っていた。CSの存在意義をもう一度議論する時期に来ているのかもしれない。 今季苦杯を舐めたセパの他チームは来季に向けて動き始めている。パでは日ハムの新庄監督がオフの話題を独占。ソフトバンクも工藤監督から藤本監督にスイッチした。またセでは中日の与田監督が退任して立浪監督に替わり、最下位に終わった横浜DeNAも2年目となる三浦監督をサポートするためにコーチを大幅に入れ替えた。 「ヤクルト、オリックスの日本シリーズを見る限り、来年もこの2チームが盤石に連覇できるか、と言えば決してそうじゃない。おそらく順位の変動があるだろう。ならば、なおのことクライマックスシリーズなどいらないのだ」 広岡氏は、こう言って2021年のプロ野球をまとめた。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)