子育ては、いつだって今がいちばん大変!「完璧な親じゃなくても子どもは育つ」の言葉に支えられた【俳優・加藤貴子】
たまひよONLINEでは2019年から2021年までコラム連載、2022年1月から2024年10月まで、育児にかかわる悩みを専門家に聞く連載をしてきた俳優の加藤貴子さん。今回で連載最終回を迎える加藤さんに、これまでの専門家との対談のことや、10歳と7歳の男の子2人の子育て、これからのことなどについて聞きました。全2回インタビューの後編です。 【画像】加藤貴子さん、二人の子どもと夫と家族写真
専門家のアドバイスを子育てで実践!
――連載の中で、専門家からもらったアドバイスのうち、実際にふだんの子育てに取り入れていることはありますか? 加藤さん(以下敬称略) 小児脳科学者の成田奈緒子先生にアドバイスをいただいた「早起きを習慣づけること」は、取り入れたんですけどいまだに成功していません。子どもたちの長期休みのたびに「今度こそ!」と繰り返し挑戦するんですけど、毎回玉砕してます(笑) 成田先生は、睡眠は子どもの成長に影響があるとおっしゃっていましたよね。早稲田大学教授の前橋 明先生からは、運動することで眠りの質がよくなると教えてもらいました。そこで、睡眠の質をよくしてみようと、子どもたちの運動量を増やしたんです。長男はサッカーを習い始めてから毎日3時間くらい運動していますし、二男も1時間くらいは体を動かすようになりました。すると早起きは苦手だけど、寝つきがよくなって、眠りの質はよくなっている気がします。 ――寝つきがよくなったのは、かなりいい変化ですね! 加藤 ほかには、泌尿器科医の岡田百合香先生に性教育は絵本を利用するといいと教えてもらったので、ジェンダーや自分らしさ、性教育などの絵本を子どもたちと一緒に読んでいます。絵本は絵を見ながら「ここからここまではプライベートゾーンだよ」と説明しやすいですし、子どもたちも絵を指さして質問したり、理解しやすいようです。 絵本といえば、フリーアナウンサーで絵本専門士の資格をもつ吉田明代さんに教えてもらった読書の楽しみ方も実践しています。下の子もひらがなが読めるようになったので、絵本を声に出してきょうだい同士で読み聞かせしています。読みながら「このとき、この子はどんな気持ちかなぁ?」と聞いたりして、想像をふくらませて楽しんでいます。長男はおばあちゃんに「ごんぎつね」や「ジャックと豆の木」を読んで聞かせて、少しずつ文字が多い物語を読むことに慣れてきたようです。でも学校の宿題の音読はあんまりやらなくて、先生に怒られてましたけどね(笑) 私自身は、吉田明代さんに教えていただいた読み聞かせのコツを実践しています。「」の中は登場人物によって声色を変えたりせずに、だれが話しているのかは子どもたちの想像に任せるなどしています。 ――いろいろと楽しみながら実践しているんですね。ほかにもありますか? 加藤 あとはやっぱりしかり方ですね。つい感情的にしかってしまってから「こんなしかり方をしたらトラウマになるんじゃないか」と心配になっていたんですけど、この連載で何人もの先生方から「愛情を持って接していれば、少々理不尽でも子どもたちには通じる」と教えてもらいました。 今も感情的に息子たちをしかってしまうことはしょっちゅうだし、しかったあとに必ず胃が痛くなります(笑)。なんでもっと穏やかに言ってあげられないんだろう、って反省することの繰り返し。そんなとき、思い出すのは、精神科医の蟹江絢子先生のお話。「世の中に完璧な親なんていません。上手な面も苦手な面も持ちつつ、ほどほどの親だって子どもはちゃんと育ちます。少しずつ勉強したり慣れていけばいいんですよ」、この言葉が私の支えになっています。